室内の広さや走りの楽しさなどが秀でているのはコレだ!
レンタカーを借りる。もし、特別な事情がなく、ペーパードライバーとしてクルマが必要になり、レンタカーを借りるとしたら、なるべくコンパクトなクルマ、一度でも運転したことのあるクルマを選ぶといい。コンパクトなクルマのほうが走行中、とくに緊張する細い道でのすれ違いなどが楽だし、各種操作方法がある程度わかっていれば、ドライブに余裕が生まれる。
また、シフト、ウインカー、ライトの点灯などの操作方法はわかるとしても、ナビの設定やトランク/バックドアの開け方、ガソリンタンクのリッドの開け方、そのクルマ独自のシートアレンジなどの操作方法は、出発前、スタッフによーく説明してもらうこと。
さて、レンタカーで快適に移動するためのクルマ選びだが、ようはクルマとしてのできがいい1台を選べばいいだけ。日ごろ、新車の試乗記などを書いているボクのお薦めはといえば……。
●軽自動車クラス
このクラスではホンダN-BOXで決まりだ。何しろ今、一番売れているクルマだけに、全方位、欠点はほぼなし。レンタカーのNAモデルでも、最新型なら高速走行、山道走行ともにそつなくこなし、後席の広さに至ってはあきれるほど広い。4人乗車でもゆったりだ。後席がスライドし、後席ひざまわり空間とラゲッジの奥行きを調整できるから、後席のスライド操作方法を理解しておくこと。
●コンパクトカークラス
レジャー、ビジネスユースで比較的よく利用されるコンパクトクラスでは、ホンダ・フィット、スズキ・スイフトあたりだと間違いなし。
どちらも運転のしやすさは抜群で、フィットは後席の広さ、シートアレンジ性の良さ、スイフトは走りの気持ちよさ、安定感の高さがポイント。
●上級コンパクトクラス
ここではスバルのインプレッサ系がお薦めだ。カジュアルさならインプレッサスポーツ、ちょっとしたフォーマル感が必要ならセダンのインプレッサG4がある。走りの良さ、安定感は文句なし。ペーパードライバーでなくても、運転がうまくなったように感じられるだろう。レンタカーは基本1.6リッターモデルだと思うが、2リッターモデルのドイツ車的な上質さに対して、こちらは走りの軽快感が身の上だ。ただし、燃費性能はあまりよくないので、経済性重視なら一考だ。
●エコカークラス
このクラスは燃費が良く、人気があるため割高な料金設定になるが、走りの先進感や静かさなど、運転していて楽しくより快適なメリットがある。コンパクトクラスならホンダ・フィットハイブリッド、そのワゴン版のホンダ・シャトルハイブリッドが間違いない選択だ。とくにシャトルの荷物の積載性、シートアレンジ性の良さは抜群。
もちろん、燃費性能に優れ、動力性能や乗り心地、静かさともに格段に進化した最新型のトヨタ・プリウスが借りられれば最高だ。“レンタカー感”をもっとも感じさせないレンタカーでもある。
●ミニバンクラス
あえてミニバンを選ぶということは、5人以上の乗車になるはずだが、乗り合う人に居心地の差をつけたくない(つけられない)というなら、料金は一気に高くなるものの、国産ミニバンの最高峰、トヨタ・アルファードが適役だ。2列目席はベンチシートになるはずだが、3列目席も足もとが広く、2/3列目席専用空調も備わり、想像以上に快適。レンタカー選びの良さに乗員全員が満足してくれるはずだ。
そこまで大きく、値段の高いミニバンは不要! というならMクラスボックス型のホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア3兄弟、日産セレナあたりを選べばOK。どれを選んでも後席乗員に窮屈な思いをさせることなく、車内でわいわいできる楽しく快適なレンタカードライブが可能。実質5ナンバーサイズで運転視界も高いため、運転にあまり慣れていない人でもすぐに運転に慣れるはず。総合的に走りが気持ちよく、快適で燃費もいいのはステップワゴンですが。
いや、多人数乗車しなければならないけれど、Mクラスボックス型でも大きく感じ、運転が不安……というなら、コンパクトミニバンの中でもトヨタ・シエンタがお薦めだ。コンパクトミニバンにしては3列目席にしっかり座れ、小まわり性のよさもあって運転のしやすさは文句なく、1.5リッターエンジンの走行感覚は爽快で気持ちよく、乗り心地もマイルドでなかなか快適。乗車人数割りのコストパフォーマンスも抜群だろう。ただし、7人乗りでも、6人までの乗車を推奨。7人フル乗車すると、加速性能やカーブでの安定感で不満が出てくるかもしれない。7人乗車するならひとクラス上のミニバンを選択するべきだろう。
ちなみにレンタカーにペットを乗せる場合は、「ペット可」のクルマを選ぶこと。車種は限られてしまうが、そうでないペット不可のレンタカーに勝手にペットを乗せ、万一汚してしまうと、高額な掃除代金を取られることがあるから要注意。禁煙車両での喫煙も同様だ。