3000年の歴史を誇る道後温泉が癒してくれる愛媛県
伊予国(いよのくに)は聞き慣れない人もいるかもしれない。が、「イヨカンの伊予」といえば、すぐに愛媛県と覚えられるはず。みかんなどを含む柑橘類、キウイフルーツの生産量は日本一だ。
県庁所在地の松山市は四国最大の都市。そして、愛媛が誇る2大観光スポットがある。
奈良時代に成立した「日本書紀」にも登場する日本最古といわれる温泉の道後温泉は、3000年の歴史をもつといわれる。夏目漱石の小説「坊っちゃん」に描かれたことでも有名だ。複雑な屋根を持つ木造3階建ての本館は、明治期に完成。威風堂々の近代和風建築は、見るだけでも価値ありだ。公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されている。2019年1月から大規模な保存修理を予定。その前に一度訪れておくのもいい。
もうひとつは、平山城の傑作といわれる松山城。市中心部の山頂にそびえ、大天守から市街や海を360度一望できる。江戸時代から時を超えて存在するランドマークタワーだ。
愛媛はもちろん、大自然にも恵まれている。沿岸部は気候も表情も異なる瀬戸内海と宇和海に接し、ともに美しい景観と豊かな海の幸を享受。
そんな海の景観を楽しむなら、糸山公園がいい。来島海峡の絶景を楽しめるお薦めスポットである。今治市側の来島海峡大橋たもとに位置し、海峡に浮かぶ島々やとうとうと流れる海流、そこを渡る3連吊橋が織りなす眺望は大スケールだ。園内には、架橋技術を紹介する入館無料の来島海峡展望館もある。
内陸部には四国山地が広がり、西日本最高峰の石鎚山、石灰岩が浸食してできた四国カルストなどを有する。
四国カルストは、山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と並んで、日本三大カルストのひとつに数えられ、愛媛と高知の県境に東西約25㎞、標高1000~1500mにわたって広がる白い石灰石を散りばめた高原は壮大な景観だ。緑の中に牛が放牧され、その眺めは「日本のスイス」といわれるほど。頂上の年平均気温は8~9℃しかないので、ハイキングでは服装に注意。
この付近を走れば、気分は天空ドライブそのものだ。