高知に行ったら最後の清流「四万十川」の沈下橋は絶対走りたい
高知県は土佐国(とさのくに)。幕末の志士・坂本龍馬の出身地として、その名は広く知られる。
龍馬は今も大忙しだ。桂浜の像や「高知県立坂本龍馬記念館」、「高知龍馬空港」「高知市立龍馬の生まれたまち記念館」「龍馬郵便局」など、高知の観光PRに引っ張りだこ。おもな観光施設で特典が受けられる「龍馬パスポート」も、観光客から好評を集めている。
ふだんは温暖で過ごしやすく、時には台風が猛威を振るう天候は、プロ野球チームが春季キャンプを張る南国ならでは。海は黒潮の暖気だけでなく、一本釣りで有名なカツオをはじめ豊かな恵みを与えてくれる。
また、じつは高知は、面積の大半を深い山々が占める県でもある。大規模なダムがなく、本来の姿を今にとどめる四万十川は、それを表す好例。流域の山間部は寒暖差が大きく、おいしい土佐茶の産地でもある。
オススメのポイントとしては、まず県東部の太平洋に大きく突き出た室戸岬を挙げたい。雄大な海の眺めだけでなく、太古の深海の地層が隆起した奇岩やさまざまな亜熱帯植物、空海が修行したと伝わる御厨人窟など、自然と歴史の大スペクタクルに出会える場所でもある。2011年にはユネスコの世界ジオパークに認定。半島には岬以外のサイトにも見どころがいっぱいだ。
続いては佐田沈下橋。“最後の清流”として全国的に有名な四万十川は、沈下橋のある景観でも知られる。沈下橋は増水時には水面下に沈む設計で、流されないために欄干がないのが特徴。四万十川にはこの生活文化遺産が本流だけでも22基ある。佐田沈下橋はもっとも下流に位置する観光スポット。道幅はクルマ一台分しかないので、渡る時は対向車を要確認だ。
最後は龍頭(りゅうず)岬と龍王岬の間に弓状に広がる砂浜の桂浜。背後に茂る松の緑と紺碧の海が調和した景観は、箱庭のようだ。月の名所として古くから知られ、坂本龍馬が郷里でもっとも愛した場所ともいわれる。高台では龍馬像が太平洋を見下ろし、坂本龍馬記念館も至近だ。周辺は桂浜公園で売店なども充実している。
そんな高知県に行ったら絶対に味わいたいのが、カツオのたたき。焼き方は皮だけにほどよい焦げ目と香りがつく、伝統の藁焼き。レア状態の身はきれいな赤で光沢があり、歯ごたえも十分。新鮮なカツオが手に入る、まさに本場ならではの醍醐味だ。
高知は四国4県で唯一、本州と連絡橋(道路)でつながっていない。そのため流通に地元色が強く、有名なスポットでも思ったほど混雑しない点も、観光客にはうれしいのだ。