誰もが極上の心地よさを実感できる空間を創出
新型クラウンでは、TNGAプラットフォームにより開発初期からNV性能を固め、さらに気持ちいいエンジン音づくりにもこだわっている。まず静粛性の面では、エンジンルームとの隔壁部にあるダッシュサイレンサーの開口率を2%にまで小さく、フロアでは、フロア部とトンネル部のサイレンサー同士の継ぎ目も徹底的になくす構造にし、カバー率では90%を達成。高周波ノイズが効率よく抑えられて会話明瞭度が大きく上がっている。
ロードノイズの中周波対策では、ボディ骨格やフロア形状の最適化で共振を分散させる設計を行ったほか、フロア骨格前後に通るフレームの後端部にあるアンダーリーンフォース(リヤバンパーの足もと裏付近)にエンドキャップとよばれる補強材を装着し、125Hz帯でのゴー音を効果的に抑えている。
また18インチホイールでは、230Hzあたりのフォーンという気柱共鳴音を打ち消すために、リム内部にレゾネータを持ったノイズリダクションホイールを採用。エンジン音では、ANCで不快なこもり音をカットしESE(ドライブモードのスポーツ、スポーツS+で機能)によって、クリアで力感のあるサウンドを作り出している。
インテリアでは、「五感に響くクルマづくり」をテーマにドイツ車やレクサスをはじめ50車種をベンチマークとして表皮の触感や見栄え、使い勝手、快適性、可動部の動きやフィーリング、音などの項目を数値化したうえで新たな領域に踏み込んでいる。
使い勝手の面では日本人に合ったドアハンドル位置や引き上げ角の設定、アームレストの高さの統一、前席シートバック背面にあるアシストグリップ高さなどを見直している。助手席シートバックサイドにあるシートスライドボタンは、ドライバー席からの操作性を向上させるため従来型より下方に配置してボタンも大型化。触感では素材や使用場所によって使い分けている。たとえばアームレストでは初期タッチから肘を載せたときの沈み具合、力を抜いたときの戻り方などを数値化し、スポーティさを意識した従来型よりソフトで心地よさを感じるものにしている。