SUVながら走りの楽しい1台に仕立てられた!
今やクルマ好きの多くがSUVに注目していると思う。実際、直近の売れ筋を見ると、軽自動車、コンパクトカー、ミニバンという実用性の高い車種を除けば、圧倒的にSUV比率高くなります。高性能車買ってもパワー活かす状況なし。だったらカッコ良いしタウンスピードで走っても快適なSUVに乗りたいということなんだろう。
続いて考えるのが「どんなパワーユニットにするか?」というもの。普通のガソリンエンジンか、ディーゼルか、ハイブリッドかPHEVかの4択になる。仕事柄、さまざまなパワーユニットを試してみたが、渋滞多くてストップ&ゴーの多い都市部で乗ろうとすれば、一番快適なのは電気自動車。滑らかだしアクセルレスポンスよいのも好ましい。
ハイブリッド車に乗ったことのある人なら、皆さん「このままエンジン掛からなかったら気持ちいいだろうなぁ〜」と思うハズ。電気自動車だとその「いいなぁ〜」を存分に味わえます。そんな気持ちに応えてくれるのがアウトランダーPHEVである。都内でも50kmくらいまで電気自動車として使え、ロングドライブ時にはハイブリッド車になるのだった。
ということでマイナーチェンジしたアウトランダーPHEVである。電気自動車モードでの航続距離が10%ほど伸び、実力値で55〜60km程度へ。電気自動車としての動力性能も向上し、最高速度135km/hまでモーターだけで走れるようになった(従来は100km/hまで)。ちなみに55km走ったときの電気料金は夜間電力なら110円。超リーズナブルだ。
今回サーキットという特殊な環境だったももの、街なかから高速道路くらいの乗り方をしてみると、確かに従来型だとエンジン掛かってしまうような速度域&加速域でもモーターだけで走ってくれる(エンジン掛かっても別に快適性が大きく落ちるワケじゃない。気分的な問題です。念の為)。航続距離が伸びたのもユーザーからすれば嬉しい。
電池残量減ると自動的にエンジン始動し、日産のe-POWERと同じようなエンジンで発電機を回し、モーターで走るというハイブリッドモードになる(正確に書くとエンジン直結駆動制御も行うというe-POWERより高度なシステムなので高速燃費良い)。今回、発電用エンジンを2リッターから2.4リッターに排気量アップ。パワフルかつ静かになった。
以上、パワーユニットに関して言えば、ほとんど不満無かった従来型を10%程度スペックアップしたと思えばOK。初めてアウトランダーPHEVのハンドル握った人は、予想外の良いクルマでインパクト大きいんじゃなかろうか。だからこそいろんなクルマを乗り継いできた私ですら、快適なアウトランダーPHEVばっかり乗っている。
今回のマイナーチェンジで一番進化したのがクルマの質感である。ボディを組み立てる際、構造用接着剤を大幅に増やしたという。どんなクルマにも当てはまることながら、誰でもわかるほど高級感出ます。足まわりも従来型より動くようになっており(ビルシュタイン仕様は変更なし)、乗り心地は大幅に良くなっているとのこと。
また、前後の駆動力配分やセットアップを見直したため、全盛期の三菱車を彷彿させるような「楽しいハンドリング」になっている。SUVだということをすっかり忘れ、袖ケ浦フォレストレースウェイで「ひゃっほ〜っ!」みたいな走りを楽しんじゃいました。やはり三菱のクルマって曲がらないとアカンです。ぜひディーラーで試乗してみてほしい。