ルールやマナーを守っていても“あおられて”しまうこともある
昨今「あおり運転」が社会問題となり、警察も厳しく取り締まるようになっている。警察庁ホームページにおいても『警察ではあおり運転等に対してあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査を徹底するとともに、積極的な交通指導取締りを推進しています。』とあるほど厳しい姿勢を見せている。
最初に確認しておきたいが、あおり運転というのは、あおる側のドライバーの問題である。あおられる側にも理由がある、相当の責任があるという意見もあるが、クルマというドライバーの意思ひとつで凶器になりえる道具を、冷静に操作できていない時点であおっている側のドライバーに非があるのは明確。
前述の警察庁ホームページでは『あおり運転等を行った者に対しては、危険性帯有による運転免許の停止等の行政処分を厳正に行っています。』とあるが、危険な運転をするドライバーには、比喩ではなく実際問題として“免許”を所持する資格がないといえる。
とはいえ、あおられたことで不利益を被るのは避けたいところ。ただし、あおるという行為をする原因は怒りであり、こうした感情に関する問題は、どこにトリガーがあるのか個々に異なるため、わかりづらい。
たとえば、前方のクルマに「あおられた」と思われないように車間距離を多めにとっていたところ、後方を走るクルマがその車間距離にイライラしてあおってくるというケースも考えられる。1対1ではなく、多くのドライバーがかかわる環境では全員が納得いく走らせ方というのは難しい。
そのためにマナーやルールを守った運転が推奨されるのだが、法で決まっている交通ルールはともかく、地域ごとに独自に進化したマナーを把握するというのは難しい面もある。地域によっては道交法を守った走らせ方がマナー違反になっていることもあるほどだ。
さらに、あおってくる理由は運転の仕方に限られるわけではない。駐車場などクルマに乗り込む前のトラブルに起因することもあれば、「いいクルマに乗っている」という妬みが理由になることもある。そういう意味では、あおられないような運転を意識して実践していても、いつ何時、あおられてしまうかはわからない。
まずはルールやマナーを守ることで、ドライビングによって他者を刺激しないことを意識するのは重要だが、避けられないこともある。
もし他者の怒りのトリガーを引くことになってしまった際には、安全な場所に停め、絶対にクルマから出ず、しっかりとロックをかけて、すぐさま110番通報するといった行動をとれるよう自衛の意識を持っておくことが重要だ。間違っても、自分一人で解決しようなどとは思わないでほしい。
【詳しくはこちら】
警察庁ホームページ
危険!あおり運転等はやめましょう
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/aori.html