コストや重量面で厳しい
軽自動車の初期のエンジンは、2ストロークが多かった(ホンダは当初から4ストロークを選んだ)。それは、2ストロークのほうが機構は簡素で、部品点数が少ないことから小型軽量に作れるためであった。それでいて、高回転で回せば高出力が得られる。あらゆる側面から、ガソリンの2ストロークエンジンが軽自動車にとって最適であったと言える。
今日、燃費向上とともに排ガス規制も厳しい時代に、もし軽自動車にディーゼルエンジンを採用したら、熱効率の点では確かにガソリンに比べ優れるかもしれない。だが、エンジンが重くなることはもちろん、排気浄化のため尿素SCR(選択触媒還元)などの後処理装置を搭載しなければならず、原価に厳しい軽自動車の負担になっていくだろう。
現在、リチウムイオンバッテリーの原価がなお高い状況にはあるが、いずれ価格が下がっていけば、軽自動車にこそ電気自動車(EV)が最適と考える。実際、軽乗用車は日常の足として利用されることが多く、軽商用においても短距離での配送や運搬が主体であろう。一充電走行距離が100kmでも、100万円で手に入る軽EVがあったらどうだろう。家庭で充電できる「100km100万円軽EV」の誕生を心待ちしている。