ニュルで鍛えた走りと最先端技術が融合した意欲作
トヨタ自動車を代表する高級セダン「クラウン」の15代目が、6月26日に発売された。新型はネットワークに接続してさまざまな情報が手に入る初代コネクティッドカーとして誕生した。国内専用モデルながら、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで走りを磨き上げ、意のままに操れる運動性能を持ち合わせている。その詳細を見ていこう。
新型トヨタ クラウンのエクステリアデザイン(外装)
先代と比べ、スタイリッシュが大幅にアップ。FRセダンらしいロングノーズの迫力あるプロポーションと、東京モーターショー2017で公開されたプロトタイプのとおり、6ライトウインドウによる流麗なサイドシルエットを手に入れている。
スポーティグレードのRSは、内側から外側へ流れるように点灯するLEDシーケンシャルウインカーを採用。フロントグリルはメッシュタイプとし、専用18インチアルミホイールや4本出しエキゾーストパイプなどによって迫力あるエクステリアに仕立てられた。
ボディカラーは、金属感をより強調する、新色のプレシャスガラナを含む全7色を設定している。
新型トヨタ クラウンのインテリアデザイン(内装)
インテリアは、まずふたつのセンターモニターが目につく。カーナビゲーションなどを表示させる8インチと、操作性も考慮した7インチのふたつにより、各種操作系も集約してインパネの上面を低く抑えている。上級セダンにふさわしい高級感漂う雰囲気に仕立てられ、触感/質感/動き/音/細部の見栄えなど人の五感に響くようこだわっている。
リヤシートは、前席の下に設けられた足入れスペースを拡大。足もとの心地よさを向上させている。また、日本人の体型に合わせて座面形状などを最適化。フィット感を高め、長時間のドライブでも疲れにくいようデザインした。
また、最上級グレードに位置するG-Executiveは本杢調パネルによってさらなる高級感を演出。ドアLED照明や3席独立エアコンなど後席装備を充実させている。
内装色はスポーティさを感じさせるホワイトを含む、全4色を用意する。
新型トヨタ クラウンを個性的に仕立てられるカスタムオーダー
よりオーナーの好みに仕立てることが可能な「ジャパンカラーセレクションパケージ」を設定。日本ならではの雰囲気を表現した繊細の色域の6色をボディカラーに設定。内装は標準の4色に加え、専用の3色を加えた7色から選ぶことが可能。自分らしさを演出することができる。
新型トヨタ クラウンのパワートレイン
3つのパワートレインを用意している。2.5L直4+ハイブリッド、3.5L V6ハイブリッド、2L直4ターボというラインアップ。
2.5Lハイブリッドは、カムリにも搭載されているTNGAエンジン「2.5Lダイナミックフォースエンジン」。JC08モード燃費は、最高24.0km/Lとなっている。
V6 3.5Lハイブリッドは、トヨタブランドとして初めてマルチステージハイブリッドを採用。有段ギヤを組み合わせ、エンジンと走行用モーターの両方の出力を制御。低速から力強い加速を生み出してくれる。また、ハイブリッドで走行可能な領域を拡大することで、燃費性能に優れた走りも可能とした。10速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、アクセル操作に連動したダイレクトな加速感を実現している。
2L直噴ターボエンジンは最大トルク350N・mを発揮し、低回転域から力強い加速感を味わえる。
新型トヨタ クラウンの走りを支えるプラットフォーム
新型クラウンはTNGA FRプラットフォームを採用。パワートレインをより低い位置に配置することで低重心化。ボンネットやフェンダーはアルミを採用して軽量化を実現し、前後重量配分を最適化することで気持ち良い走りを実現した。
フロントはハイマウント式マルチリンク、リヤはマルチリンクを採用。ステアリング剛性の最適化や、アルミダイキャスト製のフロントサスタワーを採用。構造用接着剤の塗布量を大幅に増やすなど、ボディ剛性も高めている。また、防音材などの最適配置に加え、アクティブノイズコントロールを採用。スピーカーから逆位相の音を出すことで、静粛性をアップ。
全車にドライブモードセレクトを標準装備。スイッチ操作で、瞬時にドライブモードを変更することが可能に。RSグレードはカスタムモードを追加し、パワートレイン/シャシー/空調の各制御を好みに設定できる。
新型トヨタ クラウンのRSグレード専用パフォーマンスアップアイテム
走りを際立たせたRSには、専用アイテムを多数用意。5本スポークの18インチアルミホイール&タイヤのほか、専用フロントスタビライザーによってロール剛性を向上させた。また、リニアソレノイド式AVSと呼ぶサスペンションにより、大きな入力も瞬時に適切な減衰力を発生させ、余分な動きを抑制。走行安定性を高めている。
2Lターボモデルには、リヤにパフォーマンスダンパーとフロアブレースを追加採用。優れた操舵応答性や荒れた路面での振動感を低減させた。
新型トヨタ クラウンの予防安全技術
アルファード/ヴェルファイアから採用された、第2世代のトヨタ・セーフティセンスを採用。夜間も可能な歩行者検知、昼間の自転車運転者検知が可能。プリクラッシュセーフティやオートマチックハイビームのほか、先行車や対向車に対しては遮光し、最適にハイビームを照射するアダプティブハイビームシステムを搭載している。そのほか、道路標識を認識してディスプレイに表示させたり、前走車を追従するレーダークルーズコントロールも備えている。
また、駐車支援も充実。インテリジェンスクリアランスソナーやリヤクロストラフィックオートブレーキに加え、トヨタブランド初の対後方歩行者サポートブレーキを採用。リヤカメラによって歩行者を検知し、衝突の危険があると判断した場合は警報およびブレーキ制御で被害軽減に貢献する。
新型トヨタ クラウンのコネクティッドサービス
ドライバー/街/社会がつながる新サービスが充実する。車載通信機DCMを搭載し、T-Connectサービスが3年間無料で提供される。走行データに基づいて、リアルタイムにメンテナンス情報の提案などが提供される。事故などの緊急時にオペレーターにつながるヘルプネットや、ナビの目的地設定などを任せられるオペレーターサービスなどはもちろん、スマートフォンによる遠隔操作でドアロックやハザードランプの消灯といったリモート操作も可能に。
また、LINEのトークで目的地設定が行えるほか、ガソリン残量や天気情報なども取得することができる。主な機能は下記のとおり。
◆安全・安心
○eケア走行アドバイス:警告灯点灯時、車両から発信される情報をもとにコールセンター(または販売店)から適切なアドバイスを受けることが可能
○eケアヘルスチェックレポート:エンジンオイル量、電子キーのバッテリー、警告灯点灯状態等についてスマートフォンなどで確認可能。また車両からの情報をもとに、販売店から最適なメンテナンスのアドバイスを受けることも可能
○コネクティッドメンテナンスパック:定期点検に加え、車両情報(走行距離)を活用し、最適なタイミングでメンテナンスを受けることができるパック
○MY TOYOTA for T-Connect ドラブ診断:ドライバーの運転傾向をもとに、「エコな運転」の観点から自動診断し、採点とアドバイスをスマートフォンに配信
○MY TOYOTA for T-Connect マイカーSecurity(リモート確認):ドアの開閉やハザードランプの点灯状態、オートアラームのON/OFFなどがスマートフォンで確認が可能
○ヘルプネット(エアバッグ連動タイプ):事故や急病時には、専任のオペレーターが警察や消防に取り次ぐほか、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続。また、車両データをもとに重症度を推定してドクターヘリ等の早期出動判断を行うD-Call Netにも対応
◆快適・便利
○オペレーターサービス:専任のオペレーターが、ナビの目的地設定など、きめ細かくさまざまなリクエストに対応
○エージェント(音声対話サービス):音声対話で目的地の検索・設定、ニュースや天気などの情報検索が可能
○ハイブリッドナビ:トヨタスマートセンターの道路交通情報とユーザーの走行情報をもとに、より短時間で到着する最適ルートを車載機に配信。従来の5ルート探索パターンに加え、新たなルートも提供
○LINEマイカーアカウント:LINEのトークでナビの目的地登録が行えるほか、ガソリン残量や天気などのお出かけに便利な情報を得ることが可能
新型トヨタ クラウンの価格とグレード