派手さを助長する爆音やシャコタンはもってのほか
人間、生きていれば絶対に無縁ではいられないイベント、それが冠婚葬祭だろう。とくに結婚の「婚」と葬式の「葬」は年を重ねれば参加する頻度も増えるイベントである。そこで気を付けたいのが、会場に乗り付けるクルマだ。
結婚の場合はおめでたい席でもあるため、主役の新郎新婦を食ってしまうほどド派手な車種でもない限り大きな顰蹙(ひんしゅく)をかうことは少ないだろうが、悲しみに包まれた葬式のシーンでは、あまりに場違いな車種では眉をひそめられることは必至。そこで今回はそういったシーンに似つかわしくないクルマをご紹介したい。
1)爆音の車両
葬儀会場などは往々にして静かな雰囲気に包まれていることがほとんど。そこに爆音の排気音を轟かせるような車両で乗り付けることは、場の空気を乱すことにもなるため控えたいところ。また排気音だけでなく、オーディオチューンを施している車両の場合も音量には気を付けたい。パリピなEDMを流しながらの入場は絶対NGだ。
2)極端なシャコタン車両
近代的な葬儀会場ならいいが、お寺の敷地内などは砂利や未舗装路で段差が多いところも少なくない。そういった場所で響き渡る「ガリガリ」という擦過音は注目を集めること間違いなしだ(もちろん悪い意味で)。また、そういった段差をクリアするために大きく段切りをしたり、何度も切り替えしたりすることも同じ結果を招くだろう。
3)ド派手なカラーリング
最近は赤がメインカラーとなる車両も増えてきたため、ボディカラーだけで顰蹙をかうことは少なくなってきたようだが、レーシングカーレプリカや痛車のようなところまでいってしまうとまだまだ容認されないようである。たとえ故人が同様の趣味を持つ仲間だったとしても、もしかしたら家族にナイショで楽しんでいたのかもしれないのだ。
4)高級車(元・高級車も含む)
あからさまな高級車もまた余計な話題を提供してしまう一因だ。ただ、あまりクルマに詳しくない人だと車種や年式は関係なく、例えばメルセデス・ベンツのシンボルであるスリーポインテッド・スターのエンブレムを見たらすべて高級車と認識されてしまうこともある。そのため、新車で買ったフルオプションのN-BOXカスタムターボよりも、15年落ちのW203 Cクラスのほうが高級に見えてしまうこともあるため注意したい。
5)オンボロ車
高級車が意図しない注目を集めてしまうのはもちろんだが、極端にオンボロなクルマもまた、あらぬ噂を流されてしまうことになる。明らかに壊れそうな異音を奏でているような車両は言うまでもないが、まったく洗車をしていない汚れまくりの車両も顰蹙をかうだろう。こういった場では身なりをしっかりするとともに、乗っていく車両もせめて機械洗車機くらいは通してからにしたい。
こういった車両しか持っていない場合は、当日だけレンタカーを借りるとか、公共交通機関、タクシーを使うなどをして、不要な顰蹙をかわないように配慮したいところ。TPOをわきまえることも、大人の嗜みなのだから。