基本同じクルマなのに三菱は厳しい!
2)ホンダN-BOXスラッシュ
先代N-BOXをベースに開発されたモデルだが、全高を1700mm以下に抑えて、後席側のドアをスライド式から横開き式に変更した。つまりボディサイズとドアの形状はN-WGNに近いが、N-BOXのルーフを下げたボディだから、サイドウインドウの面積が狭まって外観がユーモラスに見える。フロントウインドウが直立して天井が低いから、信号が見えにくく、斜め後方の視界も不満だがシャレは利いている。
内装の種類を多く設定したことも特徴だ。上質なスピーカーを装着して静粛性を向上させたサウンドマッピングシステム仕様なども選べる。スイッチで操作できる上級の電子制御パーキングブレーキなども備えるが、外観の形状を含めて魅力が総じて理解されにくい。
価格も高めで、サウンドマッピングシステムなどを標準装着したXターボインテリアカラーパッケージは178万9560円に達する。割高感も伴って、売れ行きが伸び悩んだ。
3)三菱eKワゴン&eKスペース
三菱eKワゴン&eKスペースは、日産デイズ&デイズルークスと基本的には同じクルマだ。両社が立ち上げた合弁会社のNMKVが開発したとされ、三菱と日産の共同開発車になる。製造は三菱の工場が担当する。
販売台数はデイズ&デイズルークスが圧倒的に多い。eKワゴン&eKスペースの月販平均台数は3663台だから、デイズ&デイズルークスの32%にとどまる。ただし三菱の販売店舗数は全国に約600店舗で、日産の約2100店舗に比べると29%だ。つまりeKワゴン&eKスペースの売れ行きが低調といっても、店舗数には比例している。
このように販売台数を判断するときは、店舗数を考慮する必要がある。トヨタのプリウスやC-HRは販売が好調だが、この2車種はトヨタ4系列のすべてが扱うから4900店舗に達する。約460店舗のスバルに比べると10倍以上だ。アクアも含めて、全店扱いのトヨタ車が数多く売れるのは、当然ともいえるだろう。