もはやライバルはアメリカにのみ存在する
現行アルファードの顔のいかつさは、世界的に見てもトップクラス。ミニバンなので顔の面積が高さ方向にデカい上に、顔じゅう銀歯のような巨大なグリルを持っているのだから、その威嚇力はワールドクラスだ。
正直なところ、欧州車にはアルファードを超えるいかついデザインのクルマはない。欧州車は基本的に「あまり無意味に威嚇するデザインはよろしくない」という良識があるし、顔の面積がデカいクルマのラインアップ自体が乏しいのだ。
アルファードに対抗できるいかつい顔のクルマは、アメリカにのみ存在する。
たとえば、SUVのキャデラック・エスカレード。巨大な五角形のメッキグリルを持ち、ヘッドライトもとっても怖い。グリル面積だけなら、アルファードの方が若干デカいが、エスカレードのそれはものすごくはっきりしたメッキの横桟。加えて全幅が2m超ある。全幅がデカいほど威嚇力が増すことを考慮すると、エスカレードのいかつい度は、アルファードを若干上まわっている。
リンカーン・ナビゲーターの顔もかなりスゴイ。ナビゲーターのグリルは上下2段で、かなり細かい十字のメッキグリル。顔じゅうバーベキューとでも言おうか? ただ、アルファードに比べると、グリルの厚みが明らかに足りない。僅差でアルファードの勝ちとしたい。
アメ車でいかつい顔といえば、SUVと双璧を成すのがピックアップトラックだ。ここには良識はまったく存在せず、ただただ威嚇のみがある。オラオラ万能のマールボロな世界である。
そんなアメリカン・ピックアップ界で、外様ながら大いに頑張っているのが、トヨタのタンドラだ。タンドラにはいろいろなグレードがあり、顔の威嚇力にも段階があるが、一番グリルがバカデカい「クルーマックス」は、まさに顔じゅうメッキ! メッキのバンパーの上には、顔からはみださんばかりの極大サイズのブッといメッキグリルがオリャオリャオリャッと鎮座ましましている。全幅2m超のキングサイズで、顔の面積の大半がメッキなのだから、その迫力はアルファードをも若干しのぐのではないか?
アメリカ最量販車種であるフォードFシリーズもかなりのものだが、メッキの面積が若干狭い。中央の横2本のメッキラインはかなりいかついが、同じ太さのものがあと3本くらいほしい。アルファードの勝利である。
なにしろラムのグリルは、ブタやイノシシの鼻テイスト。それが超絶巨大サイズなのだ! 口がデカいより、鼻の穴がデカい方が下品だし趣味が悪いし迫力がある。ラムと比べれば、アルファードの顔は上品すぎるとすら感じる。世界チャンピオンである。