赤土を舞台に総走行距離500kmで争われる!
オーストラリアで毎年6月に開催される“フィンクデザートレース”に、TRDがハイラックス・レボで参戦した。今回は、このオーストラリアで大人気の砂漠のキャノンボールレースについて紹介する。
アウトバックと呼ばれる、オーストラリア北部ノーザンテリトリー特有の乾燥した赤土の大地を駆け抜けるフィンクデザートレースは、レース名からも分かるとおりスタート地点のアリススプリングスから約220km離れたフィンクを折り返し地点に、総距離約500km弱の砂漠地帯を2日間で走破するレースだ。
このレースが砂漠のキャノンボールと呼ばれる理由は、PROクラスのピックアップトラックなら、片道220kmの距離を約2時間でゴールしてしまうこと。平均車速は110km/hにもなり、砂漠地帯を走ることを考えると、ハードでデンジャラス、そしてクレイジーであることがわかるだろう。
歴史も古く、レースは1976年から開催されており、当初バイクだけのエントリーだったが、1988年からはオフロードバギーも参戦。当時はマシンの種類を問わず一番速いマシンにのみ“King of the desert(砂漠の王様)”の称号が与えられていたが、2005年からはバイクとクルマ(バギーも含む)のそれぞれに“King of the desert”の贈られるようになった。
『一番にゴールした者が勝ち』という単純明快なレースは、地元でも大人気。プロローグレース(予選レース)開催の前日にはストリートパーティという催しが行われ、会場を埋め尽くした観客の前ではモトクロッサーのスタントショーが披露されたほか、ナイトマーケットでは数多くの出店で焼きたてのバーベキューやその肉を挟んだサンドなどが販売され、アリススプリングスの街はフィンクデザートレース一色になった。
また、レースの観戦方法も独特で、レースをひと目見ようと駆けつけたファンは、コースのロードサイドにそれぞれテントを張ってキャンプしながら観戦するのが一般的。こうした観客たちの楽しみ方はニュルブルクリンク24時間レースにも似ているが、それだけ地元のクルマ好きにとっては、1年に1度のお祭りを毎年楽しみにしているのだ。
出場台数は、バイクが612台、4輪が130台と、このエントリー台数を見ればいかに人気のレースなのかが理解できる。4輪のなかにはSXSと呼ばれる2〜4名乗車ができるオフロード専用車両もあり、普段なかなか見ることができないマシンを見ているだけでも飽きることはない。次回は、TRDがハイラックス・レボが参戦しレースの模様をお届けする。