透過率の規定に注意すればフロント及び側面もOK
最近はブロンズガラスが純正採用されたりして、ウインドウフィルムの出番は少なくなってきているが、それでも需要はある。輸入車の多くは全面が透明だし、ものによってはフロントや前席横にも貼ることができる。
なかでも最近役割的に注目なのが、断熱だ。勘違いしやすいので今一度整理しておくと、一般的なスモークフィルムがカットするのはUV、つまり紫外線となる。紫外線をカットすると、日焼けや車内の劣化を防止できるが、じつは断熱にはならない。つまり車内の温度を下げる機能はなく、この場合はIR、つまり赤外線をカットしなくてはらない。
赤外線をカットするフィルムは透明なものもあるので、これならフロントガラスも含めた前席まわりに貼ることができる。また、リヤまわりがすでにスモークガラスになっていてもその上から貼ればいいし、スモークタイプの赤外線カットフィルムもあるのでそれを使うのもいい。
問題は、透明なフィルムといっても少し色がついているということ。製造的に仕方がないようなのだが、前席まわりに貼ったときに規定を越えてしまうことがあるのには注意だ。具体的には「可視光線の透過率が70パーセント以上」とされているので、ほぼ透明なガラスが装着されている日本車の場合は問題ない。
気をつけるのは輸入車で、すでにガラスに薄い色が着いていることがあり、フィルムを貼ると、70パーセントを切ってしまうことがあるのだ。そうなると、車検はもちろん通らないし、場合によっては整備不良でステッカーを貼られてしまうこともある。気になるときはプロに相談して、実際に透過率を測定してもらうといいだろう。ちなみに後席まわりについては規定はないので、どんなに濃くても見にくいだけで、違反ではない。
最近は、わかって貼っているのだろうが、フロントまわりに薄いスモークを貼っているクルマもまた見かけるようになった。その昔流行ったフルスモーク的な気分を味わいたいのだろうが、違反になる以前に、左右方向の確認やアイコンタクトがしにくくなるのは危険だ。
また年配のドライバーに多いが、吸盤タイプのサンシェードを付けているのを見かける。まぶしかったり、暑さ対策なのだろうが、こちらももちろん違反になるので、使ってはダメだ。