最強のクラウンは3.5HVのRSグレード
最後に3.5リッター+HVを試す。エンジン+HVシステム合計で約360馬力というシリーズ最強のパワーユニットを搭載していて、4リッターV8の強力なエンジンを搭載していたマジェスタ時代を彷彿とさせてくれる。
グレードはGエグゼクティブ。最豪華仕様で後席のユーティリティも優れている。
最上級に位置するグレードで重量も重くなるが、TNGAはそれをまったく問題としない懐の深さを見せてくれた。0-100km/h加速はおそらくシリーズ最速だろう。他グレードが100km/hになるポイントで、気がついたら120km/hに達していた。
その力強い加速の中にあっても快適性は豊かで、直進性も安定性も少しも損なわれていない。扱いやすいブレーキやリニアなステアリングフィールもそのままで、重量増加の分だけ挙動が落ち着いている印象だ。このあと3.5リッターHVのRSも試したが、それはまさに最強最速、最高のクラウンの姿だった。
今回はまだプロトタイプということだったが、開発主査の秋山晃MS(ミッドサイズビークルカンパニー)チーフエンジニアによれば、「ほぼこのままで発売しますよ」とのこと。
秋山さんによれば、日本国内でのみ販売するクラウンをニュルに持ち込んだのは、シャシーの完成度が高く是非実力を試してみたかったからだという。国内での事情を踏まえ車幅1800mmを守ったということもクラウンに対するこだわりだという。
次の機会では一般道、そしてサーキットでもこの15代目新型クラウンを試していきたいと思う。