この記事をまとめると
■新車購入時に計上される販売諸費用のなかにはカット可能なものも存在する
■納車ではナンバープレートや車台番号、ボディにキズがないかなどを確認すべし
■万が一傷などがあった場合は受け取りを保留して解決策を交渉すること
自宅納車がなくなった今「納車費用」はそもそも存在しない
新車購入の際に計上される販売諸費用のなかでカット可能なものとして、車庫証明申請及び交付手続き代行費用(以下車庫証明費用)と納車費用がある。
車庫証明費用は文字通り、セールスマンが警察署への車庫証明申請と、その後交付された際の引き取りを購入者に代わって行う費用であり、これは購入者自身が行えばカット可能となる。ただOSS(ワンストップサービス/オンラインを活用した新規登録の一括申請システム)対象地域の場合は、“OSS手続き手数料”などとして一括計上されるため、車庫証明費用分だけをカットすることはかなり難しい状況となっている。
納車費用とは、新車を購入者の自宅や勤務先などへ回送して納める場合にかかる手数料となる。これも店頭に引き取りに行けばカット可能となっている。
昨今の販売現場では、各店舗におけるセールスマンの数がギリギリとなっている。納車はどうしても土曜・日曜の週末に集中しがちで、しかも大安と重なればまさに納車ラッシュとなってしまい、お客の家などへ納車に出かけていれば、店舗にセールスマンがほとんどいなくなり、開店休業状態になってしまう。
そのため、今では長い付き合いのある“お得意様”などの例外を除けば店頭納車を大原則としている店舗がほとんどとなっている。「何かと物騒な世の中なので、セールスマンが自宅にくるのを嫌がるお客様も多く、そのようなこともあり店頭納車が主流となっています」とは業界事情通。
そのため、初回見積りの段階から納車費用を計上しないディーラーがある一方で、基本的に店頭外納車を行わないのに、初回見積りに納車費用を計上するディーラーもある。「もともと店頭納車しか行わないので、納車費用など徴収する気はないのに、『店頭納車をご希望なので納車費用はカットします』として、あわよくば値引きに積極的なイメージを植え付けようとしているようなのです」とは前出の事情通。
初回見積りから納車費用を計上しないところのほうが、どちらかといえば良心的なイメージが強い。始めから徴収する気もないのに納車費用を計上しておき、あえて商談途中でカットするディーラーは、「ほかにも何か“小細工”があるのでは?」と疑いたくなるし、事実ほかの項目についても細心の配慮を持ってチェックしたほうがいいだろう。