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こうして見ると今のクルマはつまらない? 90年代に登場した日本の超個性派クルマ4選

こうして見ると今のクルマはつまらない? 90年代に登場した日本の超個性派クルマ4選

当時は売れなくても中古で見直されているクルマも

 90年代と言えばバブル景気が後押ししてユニークなクルマたちが数多く生まれた時代でもあった。バブル景気自体は91年初頭で収束してしまうが、クルマの開発は数年をかけてやるものであり、バブル崩壊後もしばらくはそういったクルマがリリースされ続けたのであった。残念ながら景気が減退しているタイミングで発売されたことで不人気車となってしまったものもあったが、今回はそんなユニークな車両をご紹介したい。

1)ユーノス・プレッソ

 ロードスター、コスモに続いて登場したユーノスのスポーツカー第3弾は、イタリアンな雰囲気を漂わせるコンパクトクーペのプレッソだった。1991年のジュネーブショーで初お披露目となったプレッソ(現地名:MX-3)は、量産車で世界最小という1844ccのV6ツインカムエンジンを搭載し、スペシャリティコンパクトとして販売された。なお、兄弟車のオートザム・AZ-3はV6エンジンではなく、ファミリアなどにも搭載されていた1.5リッター直4エンジンが採用され、異なったキャラクターが与えられていた。

 欧州では人気車種となったが、日本国内ではそれほどの成果を上げることができず、93年にはプレッソにも直4を、AZ-3にもV6を搭載して差別化を止めるが、販売は好転せずに1998年1月にプレッソが、同年12月にはAZ-3が生産を終えている。

2)ホンダCR-Xデルソル

 シビックをベースにしながらもさらに低く、短くなって、これぞライトウェイトスポーツ! というスタイリングと動力性能を持ち合わせていたCR-X。しかし、1992年に登場した3代目は「太陽の」という意味の「デルソル」というサブネームを持ったオープンカーとしてクルマの性格をガラッと変えてしまった。

恐らく企画時点ではバブル景気真っ只中で、この楽しそうなコンセプトが受けるいう判断だったのかもしれないが、登場時はどちらかというとピュアスポーツモデルだったCR-Xの変貌を惜しむ声のほうが多く聞かれた。

 しかし、メタルトップを持つクーペカブリオレとしての先見性が再注目され、近年では中古車市場でも人気車種となりつつある。とくに新車時に台数がそれほどでなかったこともあり、程度の良いVTECエンジンを搭載したSiRのMT車などは高値安定が続いている。そういった意味では出てくる時代さえ間違えなければ大ヒットしたかもしれない車種である。

3)日産ラシーン

 こちらはバブル崩壊後の1993年東京モーターショーに展示されて好評だったため市販化が決定したモデル。乗用車ベースのクロスオーバーSUVではあるが、すべてのグレードが4WDとなるなど、最低限の走破性は確保したモデルであった。ベースとなったのはサニー/パルサー系の4WDだが、最低地上高は余裕の170mmを実現しつつ、立体駐車場にも対応できる全高ということで、都市部のユーザーからも支持を集めていた。

 ベースとなった車種から重量増となっていたため、1.5リッターエンジンだけでは辛かったのか、97年には1.8リッターが、翌98年には2リッターエンジンを搭載しオーバーフェンダーを装着し3ナンバーサイズとなったフォルザが追加となっている。現在ではジュークが近いサイズのクロスオーバーSUVとして存在しているが、ラシーンのクラシカルな雰囲気のデザインは今でも人気が高く、専門店も存在するほどだ。

4)オートザムAZ-1/スズキ・キャラ

 ミッドシップレイアウトでガルウイングを持つ軽自動車、というだけでもう金輪際同じようなクルマが出ないと思ってしまうほど強烈な個性を持つのがこのオートザムAZ-1とそのOEM車のスズキ・キャラだろう。

そもそも大きな断面を持つサイドシルを持つモノコックフレームを採用したことで、ガルウイングドアを採用せざるを得なくなった同車。このモノコックボディは外板パネルに頼ることなく強度を実現しており、アウターパネルは軽量なプラスチック製だった。

 ステアリングのロック・トゥ・ロックが2.2回転で、ミッドシップレイアウトかつ軽量という組み合わせは、ハンドリングの楽しさを追求したというメーカーの思惑通り。スポーツカーというよりもレーシングカーにも近いそのハンドリング故に事故も多く、一時期は任意保険の料率クラスがかなり高くなっていたほどだった。ちなみに1150mmの全高は現在に至るまで国産量産車の中で一番低い数値となっている。

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