自動ブレーキなどを含むホンダセンシングは全車標準
今夏登場予定の軽自動車のボックス型商用車、いわゆる軽バンのその名もホンダ「N-VAN」。噂が出るやいなや注目を集める同車のティザー情報が、新たに公開されたので紹介しよう。
公開されたのは簡単なパンフレット。それによれば、グレードは4つ用意される。
まずGがベーシックモデル、そしてその上に装備を充実させたLがスタンダードモデルとして存在する。この2台は画像を見る限り、ホイールキャップのないスチールホイールで、いわゆる仕事に使うモデルという位置づけだ。
さらに+STYLE FUN。これは「仕事とレジャーの相棒に。フレンドリーな丸目のスタイル」というキャッチが付けられている。少し愛らしい雰囲気で、たとえば仕事であれば花屋さんやパン屋さんなどが使っているところを想像するとピッタリくる。
そして+STYLE COOL。こちらは「こだわりを表現するロールーフでスタイリッシュな佇まい」というフレーズで紹介されている。写真で比べると、グリルも精悍なイメージになっており、乗用車のN-BOXに対してN-BOXカスタムのような雰囲気だ。そして屋根が低く、走りに優れたルックスとなっている。
肝心の中身だが、細かい組み合わせも公開されている。まず全グレードにFFと4WDが設定。それぞれCVTと、なんと6速MTが選べるようになっている。また、細かいエンジンスペックはわからないものの、自然吸気エンジン(NA)が組み合わされる。
そして、前述の+STYLE FUNと+STYLE COOLにはターボグレードをラインアップする。こちらの駆動方式はFFと4WDが選べるが、トランスミッションはCVTのみとなるようだ。
N-VAN最大の注目は、「はたらき方を変える“ダブルビッグ大開口”が、画期的な使いやすさを実現。」と記載があるように、リヤと助手席側の両方から車内の荷室にアクセスできることだ。「助手席側のリヤスライドドアからアクセスなんて今までの軽バンはみんなできるでしょ?」と思うだろうが、N-VANは軽バン初のピラーレス。つまり、助手席のスイングドアも開ければ大開口部が出現し、ハッチと合わせて両側から作業ができるし、さまざまな形のものを積みやすいのだ。この助手席側大開口部は、高さが1230mm、幅が1580mmもある。
もうひとつ、N-VANの特徴は、地面から荷室フロア面までの高さが低いこと。荷室床面地上高はFF車で525mmしかない。そして荷室の高さは1365mm、幅が1390mm、奥行きは助手席まで倒した最大で2635mmもあるので、長尺ものもラクラク積載できる。
ちなみに、リヤシートの背もたれを前方に倒し、助手席も倒した場合の荷室は完全フルフラット。最大積載量は350kgで、大きさとしては長さ380mm×幅310mm×高さ280mmのダンボールが71個、ビールケースが40個載せられるという。
もちろんインテリアにもさまざまな工夫があり、ディーラーオプションと合わせて便利に使えそうだ。パンフレットによれば、
・ルーフキャリア
・スチールインテリアパネル
・インパネマット
・簡易テーブル
・フロアカーペットマット(プレミアムタイプ)
・シートカバー(プロテクション)
・ルーフコンソール
・セパレートカーテン
・ラゲッジアシストポール
・リアアンダーミラー
・テールゲートバー
・ユーティリティフック(ノブタイプ)
・ラゲッジマット(TPOタイプ)
などがラインアップされている。
そして何より嬉しいのは
・衝突軽減ブレーキ
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・路外逸脱抑制機能
・アダプティブ クルーズ コントロール
・車線維持支援システム
を含む安全装備のHonda SENSING(ホンダセンシング)が全車に標準装備されることだ(NAエンジン車は非装備仕様も選択は可能)。また、GとLを除いて
・後方誤発進抑制機能
・オートハイビーム
も含まれるという。
いわゆる4ナンバーの貨物自動車というと、仕事をする営業車専用と勘違いする人も中にはいる。しかしN-VANなどの商用車は、一般の乗用として所有し、乗ることももちろん可能。この広い荷室や室内装備は、アウトドア系の趣味をもつ人なら選択に入れる価値ありだ。
小さなボディのN-VANだが、日本の街の景色を大きく変えそうな予感がする。