ファミリーカーなのに気軽にお出かけできないミニバンもある
最近は再びガソリンの価格がじわじわと上昇し始めている。もちろんクルマ好きの皆さんなら「楽しいクルマなら燃費なんて関係ない」と言うかもしれないが、やはり燃費が悪いのはおサイフに優しくないもの。そこで今回は燃費の悪かった国産車について振り返ってみたい。
1)ユーノス・コスモ
マツダが誇るロータリーエンジンを搭載する車種の中でも、唯一市販車で3ローターの20Bエンジンを搭載していたのがこのユーノス・コスモだ。デビュー当時のカタログ燃費でも6.1km/Lのハイオク仕様となかなかパンチの効いた数値を叩き出していた(といっても13B搭載モデルでも6.9km/Lとそれほど大差はない)。とくにコスモは4速ATしか設定がなかったのも燃費が伸びなかった要因のひとつ。現在のように大パワーにも対応できる多段ATがあればもう少し改善できたかもしれない。
2)日産エルグランド
一時代を築いた「キングオブミニバン」のエルグランドは燃費の悪さでもキングの風格だった。現行モデルこそ3.5リッターでも10km/L近いカタログ値となっているが、先代の3.5リッター4WDでは7.8km/L、初代に至っては7.0km/L(もちろんハイオク仕様)とファミリカーとしてガンガン使うのに躊躇してしまうほどだった。もちろんファミリカーとしてフル乗車に近くなればなるほど燃費は悪化してしまうのだから……。
3)スズキ・ジムニー
軽自動車は税負担も軽く燃費も悪くない、というイメージがあるかもしれないが、それはカタログ燃費でのお話。やはり小排気量のエンジンで豪華で重くなってしまったボディを引っ張ると実用燃費は悪くなる傾向になってしまう。そんな軽自動車のなかでも、丈夫なフレーム付きシャシーを採用し、フルタイム4WDという組み合わせのジムニーは実用燃費の伸びない車種のひとつ。ギヤ比も悪路走行を見越してややローギヤードであり、カタログ燃費で14.8km/L(5速MT)、実用燃費では10km/Lを割り込むと言われている。
4)日産サファリ
かつてはトヨタ・ランドクルーザーと人気を二分した日産の本格SUVであるサファリ。すでに日本での販売は終了してしまっているが、2007年まで販売されていたY61型の直列6気筒4.8リッターガソリンエンジンを搭載したグレードのカタログ燃費は驚愕の5.5km/Lとなっていた。燃料タンク容量は95リッターと大きいが、もしカタログ燃費を達成したとしても満タンで520kmほどしか走行できない計算となってしまう。
5)スバルWRX STI
もはや絶滅危惧種となってしまった8000rpmを許容する2リッターターボを搭載するスポーツセダンであるWRX STI。カタログ燃費も9.4km/Lと性能を考えればむしろ良いと思えるほどの数値となっている。しかし、ひとたびエンジンにムチを入れ、限界走行をするとなれば、その牙はおサイフにも容赦なく襲い掛かってくるというわけだ。