この記事をまとめると
■タイヤの変色はゴムに含まれる老化防止剤が表面ににじみ出て化学変化を起こしたもの
■変色すること自体は安全性に問題はない
■変色を抑えるには水とブラシで表面の汚れやホコリを洗い流すこと
老化防止剤が表面ににじみ出て化学変化しているのが原因
新品のタイヤは黒々してきれいなのに、使用しているうちにタイヤの側面(サイドウォール)が茶色っぽく変色してくるのはなぜなのだろうか。タイヤメーカーの広報部に訊いてみた。
「一般的なタイヤの話としてお答えします。タイヤのサイドウォールの変色は、タイヤのゴムに含まれる老化防止剤が表面ににじみ出て、それが化学変化して茶色っぽく見えるのが一番の原因でしょう。ブレーキダストが付着してそれが酸化したということも考えられますが、老化防止剤の化学変化が最大の要因です」
「老化防止剤はオゾンや熱、酸化からタイヤを守る働きがあり、非常に重要な役割をしています。地域や季節、保管場所によってにじみ出る量は変わってきます。たとえばいつも西日のあたる駐車場や、水銀灯のそば高圧線のそばなどに保管場所があるクルマは比較的、茶色っぽくなりやすい傾向があります」とのこと。
では、その変色を防いだり、変色してしまったときの対処法はあるのだろうか。
「変色自体は、基本的に安全性に問題ありません。しかし色の変化が気になる方は、『少し変色してきたな』と思った時点で、早め早めにタイヤの表面を水洗いしてください」。
「タイヤワックスや艶出し剤を使うと、たしかに表面はきれいになりますが、肝心な老化防止剤まで流れ落としてしまったり、タイヤの耐久性の面で弊害があることもあるので、洗剤も使わずに、水とブラシだけで表面の汚れやホコリを洗い流すことをオススメします」とのことだ。
サイドウォールが茶色くなるのは、ゴムの老化防止剤が仕事をしている証拠だった。
変色しても安全性には問題がないので、とくに気にすることはないのだが、オシャレは足もとから……という人は、駐車する場所に気を配り定期的に水洗いしてきれいな表面を保つようにしよう。