ガソリンスタンドはインフラでもあり地方自治体との協力が必要だ
つまり、ガソリンスタンドに埋設されているタンクの改修問題だけでなく、ガソリンスタンドという業態自体、持続することが難しい状況になっているといえる。
根本的な要因として、石油需要が減少していることが挙げられよう。さすがにトップランナーの燃費改善幅は小さくなっているが、いまや日本車はモデルチェンジごとに省燃費となり、またハイブリッドが多数売れている。自ずと、ガソリン需要が減ってしまっているのだ。
仮に、あるガソリンスタンドの商圏と保有台数、そして走行距離が変わっていないとして、個々の燃費が改善すれば、売り上げは減ってしまう。
そこに高齢化による免許返納(ユーザー減)というダブルパンチだ。地方によっては一気に需要が減ってしまっている。
もともと、ガソリンには多額の税金がかかっているため価格に対する利幅が小さい商品だ。それでいて売り上げが減ってしまっては、ビジネスとして成立しない店舗が出てくるのは当然の話。
実際、ガソリン需要は2030年には2010年度の数値に対して6割減の2443万キロリットルになると予想されている。今後、ガソリンスタンドというビジネスが盛り返すと予想するのは難しい。
とはいえ、ガソリンスタンドはインフラとしての側面もあり、ビジネスとして成立しないからといって簡単になくしていいものではないのも事実。民間の努力にゆだねるだけでなく、地方自治体のサポートなども欠かせなくなってくるだろう。
一方で、場合によってはエリア全体としてのEVシフトの必要に迫られるケースも予想される。
【詳しくはこちら】
経済産業省:平成28年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました
http://www.meti.go.jp/press/2017/07/20170704007/20170704007.html
総合資源エネルギー調査会・第17回資源・燃料分科会(平成28年5月17日)説明資料石油販売業の課題と生き残り策
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shigen_nenryo/pdf/017_07_00.pdf