発売直後の新型モデルがレンタカーに大量導入される理由とは?

新型車をたくさん走らせて宣伝する意味合いもあるが……

 新型車がデビューした後、初期の受注実績が発表されることがある。これは好調をアピールするためのPR手法で、「月販目標の●倍!」といった表現で、多くのユーザーに求められている製品に仕上がっている、ということを示すことが多い。新車にレンタカー

 しかし、必ずしも初期受注のすべてを一般ユーザーが購入しているわけではない。各地のディーラーが試乗車として用意したクルマも初期受注に含まれる。そして、初期受注の数字を良くするためにディーラーへのノルマが課されることもあるという。そして、そうしたクルマの行き先として選ばれがちなのが系列のレンタカー会社だ。 

 もちろん、こうした裏事情については公式に認めるものではなく、あくまでも偶然というのが建前。表向きは「話題の新型車にはニーズがあるのでレンタカーとしても大量導入する」ということになろう。レンタカーとして新型車が運用されれば、それだけ目に留まりやすくなり、新型車のPR効果も期待できる。「他人が乗っていないようなクルマが欲しい」というマインドを持つクルマ好きもいるだろうが、「いっぱい売れているクルマを選択しておくのが安心」という潜在意識を持っているユーザーは少なくない。

 もちろん、系列のレンタカー会社などに新車を押し込めるのは一時的なものであり、あくまでカンフル剤のようなもの。そうしてスタートダッシュの勢いをつけることに成功して、そのまま人気モデルとして販売ランキングの上位常連になるためには、やはりクルマとしての魅力(コストパフォーマンスや乗り味、他にない特徴)が必要なのは言うまでもない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報