エンジンブレーキだけの減速は危険? ブレーキペダルを併用すべきケースとは (2/2ページ)

あえてブレーキを踏んで後続車に知らせることもときには必要

 具体的には下記の通りだ。

1)ある程度速い速度で走っているときに、一気にアクセルを全閉にするとき(アクセル開度でいえば、全開からハーフ、ハーフから1/4ぐらいの変化量、あるいは4速以上の高いギヤでアクセルを戻すときなどは該当しない)。

2)高いギヤから、3速、2速へとシフトダウンを行いながら減速するとき。

3)下り坂などで、低いギヤ+ハーフスロットルで走行し、コーナー手前でそのアクセルを全閉にするようなとき。

 こうしたシチュエーションでは、エンジンブレーキだけでなく、ブレーキペダルも踏んでブレーキランプを点灯させ、後続車に減速中であることを知らせることが重要だ。

 AT車でも、パドルシフトなどで、ポンポンポンとシフトダウンさせ、エンジンブレーキだけで比較的強い減速Gを出しているクルマがときどきいるが、あれはかなり危険な行為。MT車でいえば、3速、4速、5速で走行中、アクセルをスッと抜くようなエンジンブレーキなら、フットブレーキは使わなくてもあまり問題ない。

 しかし、シフトダウンを伴ったり低いギヤでアクセルをパッと戻して減速するようなときは、ブレーキペダルも踏んで、後続車に減速していることを知らさないと追突されるリスクが高まるので要注意。AT車(CVTやハイブリッドを含む)でも、ATのセレクターをBレンジやSレンジにすれば、エンジンブレーキが強く効くようになっているので、Bレンジ、Sレンジを使うときも、注意点は同じ。ブレーキペダルを踏むと、よりエンジンブレーキの効果が高まる仕組みになっているATもある。

 ちなみに、ハイブリッド車やEVなど、電気式の回生ブレーキ装着車は、減速Gが0.1G以上になると、ブレーキランプを点灯させることが保安基準で求められている。0.1Gの減速Gは、フルブレーキの1/10ぐらいのG。感覚的にはわかりにくいかもしれないが、このルールに準じて、エンジンブレーキだけでも、ある程度の減速Gが出るようなシチュエーションでは、フットブレーキも併用し、ブレーキランプを点けるように心がけよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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