NAかターボかよりも安全支援機能のあるモデルを選びたい
一方、G-Lターボホンダセンシング、G-EXターボ ホンダセンシングのFF/4WDはエコカー減税が取得税20%、重量税25%に、軽自動車税軽減なしとなってしまうのだ。しかし、NAがいいかターボがいいかの答えは単純じゃない。NAでも思いのほかしっかり余裕で走ってくれるクルマもあれば、ターボじゃないと動力性能的にちょっとつらいクルマもある。
NAモデルで価格を抑え、諸費用も押さえつつ、長距離ドライブにも使える下克上的NAモデルの一例が、最新型のホンダN-BOX。実際に東京から軽井沢へと走らせたことがあるが、高速走行はもちろん、碓井軽井沢ICから軽井沢へと続く急こう配の坂道(山道)も2名乗車+宿泊荷物でさえ、苦もなく走ってくれたのだからびっくり。市街地を含むシーンでの走りの上質感、足まわりのしっかり感も軽自動車のクラストップレベルと断言していいほどなのである。
もちろん4名フル乗車、長距離を走る機会が多く、予算にゆとりがあるならターボになるかもしれない。実燃費にしても、車速が上がるほどパワーやトルクに余裕があるため、アクセルペダルをあまり踏まなくても速度を保ちやすく、NAとの差が縮まる傾向にあるのもその理由。もっともターボの最上級車、先進安全運転支援装備車だと、コンパクトカーより高くなってしまう車種もあり(170万円クラスもある!)、駐車スペースの問題でどうしても軽自動車を選ばざるを得ない人以外にはなかなか薦めづらいのも本当だ。
しかしながら、せっかく買うならターボが絶対にいい!! と言いたくなる車種もある。例えば三菱ekスペース。NAエンジンにあまり力がなく、両側スライドドアを備えた容量系軽自動車だけに車重がかさむこともあって、街乗りから高速走行、山道に至るまで、ターボの動力性能が欲しくなる1台なのである。
とはいえ、必要なパワーは人それぞれ。できれば狙いの軽自動車のNA、ターボ両方に試乗して、ライフスタイルに合うか、望む走行性能に達しているかを、カタログのスペックに頼らず実車確認するのが鉄則である。おおまかに言えば、街乗り、ご近所専用車としてならNAの経済性が際立ち、長距離ドライブや、フル乗車、荷物満載のアウトドアなどに出掛ける機会が多く、長く乗り続けるつもりならターボ、またはコンパクトカーへのアップシフトも要考慮、というところだ。
最後にこれだけは言っておきたいのが、先進安全運転支援装備。もはや軽自動車にも不可欠、というより、軽自動車だからこそ、ぜひとも付けてほしい安全装備であり、NA、ターボのどちらを選ぶにしても、ケチらず装備して(装着車を選んで)、より安全、安心なカーライフを楽しんでいただきたい。つまり、先進安全運転支援装備分まで含めた価格を基準とし、予算と照らし合わせてほしい。