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小さなボディに最新技術を凝縮! かわいい見た目だけじゃないスズキ・クロスビーのメカニズムを解説 (2/3ページ)

小さなボディに最新技術を凝縮! かわいい見た目だけじゃないスズキ・クロスビーのメカニズムを解説

目指したのはサイズを感じさせない力強さ

 クロスビーのパワーユニットは、自然吸気エンジンの1.5Lに相当する高出力と大トルクを発揮する1LのK10C型直列3気筒直噴ターボエンジンを搭載。このエンジンはバレーノ(ハイオク仕様)やスイフト(レギュラー仕様)に搭載された定評のあるユニットだが、クロスビーではマイルドハイブリッドとのコンビネーションを実現し、車重や空気抵抗が増加するSUVボディにもかかわらずJC08モード燃費では、バレーノやスイフトを凌ぐ22km/L(2WD)を達成している。

 エンジンは、バレーノやスイフトよりもエンジンルームのスペースが狭いため、吸排気系の周辺部品をよりコンパクトにして、インタークーラーやラジエータのレイアウトも見直されている。スペースに制約がありながらも、スイフトRStの75kW(102馬力)/5500rpmから73kW(99馬力)/5500rpmと出力の低下を最小限に抑えた。出力は低下したもののトルク特性を車両に合わせて適合し、なおかつ変速比幅を拡大した6速ATとISG(モーター機能付発電機)を巧みに協調させることによって、滑らかで力強い特性とした。結果として1.2Lエンジンを凌ぐパフォーマンスを発揮。排気量のサイズダウンと直噴技術の採用によって燃料消費も効果的に抑制できるのも特徴といえる。

 マイルドハイブリッドシステムは、ほかのスズキ車に採用されているものと同じISGであるWA05A型モーターを取り付けているが、K10C用としては国内初搭載なのでベルトのレイアウトを変更している。またベルトの張りを調整する機構には自動調整型のオートテンショナーをおごり、発電だけでなくモーターからの始動とアシスト作動で正転と逆転のトルクに切り替わったときでもつねに適切な張力が得られるようにしている。モーターの最高出力は2.3kW/1000rpm、最大トルクは50N・m/100rpmで、再始動と発進後から約100km/hまでのモーターアシストを行う。

 マイルドハイブリッドの作動は、減速時にエンジンからISGを駆動して発電し、リチウムイオンバッテリーとエンジンルームの鉛バッテリーを充電。ブレーキペダルを踏んだときは、より回生量を増やしている。アイドリングストップは、停車前の減速中に車速が約9km/h以下になるとエンジンが自動停止。このときの電力供給はふたつのバッテリーから行なっている。再始動では、鉛バッテリーに蓄えた電力からISGを駆動してベルトを経由してクランクプーリーをまわすので静かでスムースな始動が可能だ。

 発進後は専用リチウムイオンバッテリーの電力を使用し、ISGのモーターが発進後や加速時に最長で30秒のモーターアシストを行い、エンジンの負担を抑えて燃料消費を大幅に削減。さらに走行中も、減速時にふたつのバッテリーに蓄えた電力を電装品に供給することで、エンジンから発電機を回すエネルギーを減らして、走行中の発電による無駄な燃料消費が抑えられる。

 トランスミッションは、こちらもバレーノやスイフトの1Lターボで採用されている6速オートマチックを搭載。このトランスミッションは、変速比のカバレッジを6.8とワイドにしているため、発進加速のよさと高速巡航時の燃費低減に大きく役立っている。CVTと違い有段になっているので、アクセル操作に対するダイレクト感やレスポンスに優れた特性が備わっていて、ターボエンジンの大トルクと相まって思いのままの走りが楽しめるようになっている。

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