小さなボディに最新技術を凝縮! かわいい見た目だけじゃないスズキ・クロスビーのメカニズムを解説 (2/3ページ)

さまざまな場面で味わえるひとクラス上の走り

 プラットフォームは、スズキの軽量高剛性のHEARTECT(ハーテクト)技術を採用。地上高の180mmやホイールベースの2435mmという基本寸法はイグニスと同一だ。その一方で、イグニス比では全長が+60mmの3760mm、全高は+110mmの1705mmへと拡大され、キャビンの長さや高さも拡大されている。また、2WDと4WDでサスペンション形式も違うので、リヤシートの座面前付近から後方のフロア形状を駆動方式に合わせて使い分けているが、手法はイグニスと共通だ。

 フロア骨格は、フロントのエンジンルームサイドのメンバー部からフロアに向かって緩やかな曲線でつなぎ、その延長線上にあるフロア下の骨格と直線状につなぐことで衝突時の力を効率的に受け止めつつ分散できるように配置。フロア下の骨格自体もフロントからリヤにかけて八の字状に広げたうえでリヤフロアの骨格とストレートに接続し、合理的な応力分散と軽量化を実現。サイズ拡大に合わせて車重は増加したが、イグニス比+80㎏で、2WDは960㎏、4WDは1000㎏と1トン以内に収まる。

 歩行者との衝突時にダメージを減らす歩行者保護性能では、フロントバンパーやフェンダー、フード、ワイパーやカウルトップパネルをはじめ、ルーフも衝撃吸収構造を採用して、歩行者の頭部や脚部へのダメージを軽減する。

 上質で快適な室内空間を提供するため、ボディそのものの振動対策も強化。ルーフ部には、ルーフとその支持部材を接着する方法を線シーラー化して接合部の密着度を高めたほか、ステアリングサポートパイプを閉断面化してステアリングに伝わる振動を抑えている。

 また、エンジン音対策ではAピラー部に遮音バッフルを採用し、エンジンルーム内面となるフード裏やカウル部、ダッシュアウターにサイレンサーを取り付けている。キャビン側では全面フェルトを採用した一体型フロアカーペットによるロードノイズ低減や、吸音性能を持たせた成形天井材によって走行風や雨で発生するルーフ側の音を抑えるように対策した。

 サスペンション形式は、イグニスと同様でフロントがストラット式、リヤは2WDがトーションビーム式コイル、4WDがI.T.L.式コイルスプリングと同様だが、車重や重心高の変化に合わせて最適なチューニングを施している。


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