V6エンジンはもはや新規開発! 新型トヨタアルファード/ヴェルファイアのメカニズムを解説 (3/3ページ)

動的性能はそのままに快適性を底上げし、乗員を心地よくもてなす

 快適に移動できることはアルファード/ヴェルファイアにとって重要な性能だ。そうした意識で室内装備もブラッシュアップされている。具体的にはエグゼクティブラウンジの2列目シートにおいて改良がなされているという。

「使い勝手の改善ポイントとして、運転席側の2列目シートに『マニュアルウォークイン機構』を付けています。これにより3列目への乗降性を向上させました」

 従来は電動のみだったスライド機構を、3列目へのアクセスに便利なようにワンタッチで背もたれを立て、手動でシートを前方にスライドできるという。オットマンを展開している場合は、レバー操作に連動して電動で格納するという凝ったものだ。この機構が付くのはエグゼクティブラウンジとなるが、その理由はユーザーからの声だという。

「ショーファーユースの場合、まず助手席側の2列目にお客さまが座られます。そのあとから3列目に乗り込むのに時間がかかってしまってはスマートではありません。スムースに2列目シート(運転席側)を動かしてほしいという要望は届いていました」


また、エグゼクティブラウンジのベンチレーションシートを2列目だけでなく1列目にも採用することでキャビンの快適性を高めている。さらに全車的な進化として、シート材の合成皮革に『昇降温抑制機能』が新設定された。エスクァイアに採用されている技術だが、中間層と表層の間に断熱層を追加してシート表皮の温度変化を抑えるというもの。トヨタの社内でも本革シートと比較して遜色ない評判を得ているそうだ。

 リヤドアクオーターバックドアにスーパーUV400のプライバシーガラス仕様を初採用しているのもトピックだ。これによって波長の長い紫外線(400ナノメートル)の透過率を従来の1/10以下としている。具体的な数値としては0.7%と大幅にカットされている。さらにエグゼクティブラウンジにおいては、フロントドアとスライドドアに合わせ構造の高遮音ガラスを採用することで、フラッグシップにふさわしいキャビンの静粛性を実現している。

「外部からのノイズを減らすと、それまでは聞こえてこなかった車内の異音などが耳につくようになります。そういった小さなノイズのひとつひとつを埋めていく、といった地道な作業も行なっています」


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