割高なハイブリッド車の価格を燃費で元を取るのは実質不可能
ところで、ダウンサイジングターボのメリットのひとつとしてあるのが自動車税。ここで1.8リッター+モーターのハイブリッド車と、1.4リッターダウンサイジングターボを比較してみると、前者は3万9500円。後者は3万4500円(エコカー減税適用前)。その差は5000円。
ハイブリッド車が23km/L、ダウンサイジングターボ車が15km/Lだとして、年間5000キロ走る場合、ガソリン代(レギュラーガソリン130円/Lとして)はハイブリッドが217Lで約2万8210円、ダウンサイジングターボは333Lで約4万3290円。その差約1万5080円。ハイブリッド車の優位性は1万円ぐらいにとどまる。
もし、ダウンサイジングターボが輸入車でハイオクガソリン(150円/Lとして)だとしても、ハイブリッド車との差額は2万1000円程度。ここで忘れてはいけないのが、ダウンサイジングターボよりハイブリッドのほうが割高な価格設定であること(バッテリー、モーターが依然、高価なため)。ハイブリッド車の燃費のよさで車両価格の元を取るには、かなりの所有年数、走行距離が必要になるというわけだ。
だが、ハイブリッドでしか得られない実用上のメリットもある。その一例がプリウスなどに設定されている、アウトドアはもちろん災害時に威力を発揮する100V/1500Wコンセント。こればかりはガソリン車、ダウンサイジングターボには望めない機能となる。
よって、同等の動力性能を得るならダウンサイジングターボの価格的お得感が光るのだが、先進性(メーターやシフターなどの見栄えも含め)、モーター走行によるスムースさ、静かさ、電源供給車にもなりうる超実用性ではハイブリッドが有利ということになる。
ちなみにボクはと言えば、1.4リッターダウンサイジングターボ車に乗っている。モード燃費は19.5km/L(新車当時)で、カタログ燃費ではプリウスなどのハイブリッド車に遠くおよばないものの、エンジン本体、ミッション、操縦安定性、乗り心地が抜群で、なおかつ先進安全運転支援機能満載、実燃費が15〜19km/Lはいくのだから満足している。