ワイパーは雨水だけでなく汚れも拭き取るための機能
3)「HI」
「LO」の位置からさらに一段下、OFFの位置からだと三段目=一番下の位置が「HI」。大雨・豪雨のときに、ワイパーをもっとも速く動かせる。毎分70回ぐらいの速さで連続して動くのでかなり高速。「HI」でワイパーを動かすときは、そうとう視界も悪いので、ヘッドライトの点灯は必須。ハイドロプレーニングなどのリスクも高まるので、速度を控えめに注意深い運転を。
4)「MIST」
OFFの位置からレバーを押し上げると「MIST」になる。「MIST」はライトでいえばパッシングのようなもの。レバーを押し上げたときにだけ、ゆっくり1往復だけワイパーが動く。霧や何かの拍子に水滴が付いたようなときに、サッとひと吹きするのに便利。
その他にもレバーを手前に引くと引いている間は、ウォッシャー液が出てワイパーがゆっくり動く。花粉や虫の死骸、鳥の糞、油膜、泥などでフロントガラスが汚れたら、ウォッシャー液を使ってきれいに拭く。
自動車用のワイパーは、約100年前に発明され、原理・構造はほとんど変わっていないが、雨水だけでなく、その他の汚れを除く役割もあるので、大きな変化が見られない……。
ただ細かいところでは雨滴感知式ワイパーは、1980年代半ばに実用化され、かつてのメルセデス・ベンツのパノラマワイパー(伸縮式シングルワイパー)や、速度に応じて拭き取り角度を変えられるボッシュのECUワイパー、メルセデス・ベンツのマジックビジョンコントロール(ワイパーブレードからウォッシャー液を噴霧)、マクラーレンの「超音波撥水技術」を使ったワイパーレス化など新しい試みはいくつかある。
しかし、当面はコストの兼ね合いもあり、現行のワイパーシステムが主流であり続けるはずなので、まずはいまのワイパーを十全に使いこなせるようにしておこう。