下取り車があっても乗ってこない客は買う可能性が少ない
すでにクルマを所有しており、そのクルマを下取りに出して新車を代替え購入予定としているならば、下取り車で店を訪れるのがベスト。徒歩や自転車などで店を訪れて、「下取り査定はまた今度」などとセールスマンに伝えてくれば、たとえ段階を踏んで新車購入を進めたいと思っていても、「すぐにクルマを買いたいというわけではないな」と思われてしまうだろう。
前提として、新車ディーラーにわざわざ足を運んでくるのだから、前述したミステリーショッパーや、筆者のように仕事上の情報収集として訪れる例外ケースを除けば、その熱意にこそ差があるものの、新車購入に興味を示しているものと思うようにと新人時代にセールスマンは教育されている。
新車購入の本気度については、“展示車などの前で軽く立ち話したあと、カタログなどの資料を渡しただけで帰った”、“商談テーブルに座って商品説明ができた”、“初回見積りが提示できた”、“見積り提示後あるいは前に試乗まで持ち込めた”といった順番で、セールスマンはどこまで進めたかで本気度を推し量っている。
商談テーブルの席につけば、かなり新車購入に前向きと判断されるのが一般的だ。さらに商談では、ボディカラーや詳細なオプションに話が進めば、あとひと押しで受注までいくかもしれないと判断される。
世のなかにはさまざまなタイプのひとがいるので、セールスマンも「これだ」という判断基準で、購入意欲満々か否かを判断することはない。お客と話しを進めながら、本気度を探っていくのである。買う気に溢れている様子を誇張して、値引きをより多く獲得しようとしても、ベテランのセールスマンほど、それが真意なのか否かを容易に見破ってしまうのである。
大昔のような、半ば無理やりに新車を売ってしまおうということはまずないので、自然体で商談を進めるのがやはりベストとなるだろう。