職人が磨き上げたウッドタイプも高級品だった
何気なく使っているからか、あまり意識がいかないのがハンドルだろう。最近のタイプはスイッチが大量に付いているので、その操作や機能については興味があっても、ハンドル自体には無頓着だったりする。せいぜい革巻きかどうかぐらいだろう。
しかし、その昔はクルマ好きのハンドルそのものに対する興味は強烈なものがあった。1980年ぐらいまでだろうか。革巻きなんて超豪華で、オプションでカバーだけ売っていたほど。
さらにウッドも、職人さんが磨きあげたものは豪華だった。ブランドもナルディやモモ、イタルボランテ(通称イタボラ)などがあって、憧れの的。クルマを買ったら即交換、なんていうのがクルマ好きの常識だったりした。今どきのホイールと同じような感覚だ。
ただし、回しやすいから円形なのであって、四角いハンドルというのはない。そのためユニークなものはほとんどないが、そのなかでも個性的だったのがシトロエンだ。
最近は採用していないクルマのほが多いが、伝統としていたのがセンターに自動的に戻ろうとする機能。さらにセンターパッドの部分は回らないというのにもこだわっていた。ちなみに回らない理由は、ハンドルを回す時の慣性を減らすためという説があるが、正確なところは不明だ。
また回しやすいという点では、異形というのもある。上下部分がフラットだったりするものだが、普通のクルマに付けると意外に回しにくく、ロックtoロックが少ない、レース車両だと威力を発揮するだろう。
ちなみにトヨタなど、ハンドルの下がフラットになっているものが増えているが、レーシーな雰囲気でもなんでもなく、メタボ対策とのこと。要は腹がつっかえないようにという、なんともな理由だったりする。