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買ってから後悔しない「クルマの後席」の正しいチェックポイント7つ

買ってから後悔しない「クルマの後席」の正しいチェックポイント7つ

広さや座り心地だけで選ぶのはNG

 夫婦ふたりだけのときは、ほとんど座ることのなかった後席。でも家族が増えると、子どもが小さいうちはママの指定席も後席になるし、子どもが2人になれば3人がけの真ん中に座るシーンが出てきたり、高齢になったお父さん・お母さんを乗せるときにお手伝いが必要になったり。

「もっと後席の快適性をチェックしておけばよかった〜」って思うコトがたくさん出てくるものなんです。じつはまさに今、そんな後悔を噛み締めている私……。これからファミリーカーを購入する皆さんには、そうならないためにぜひ後席をしっかりチェックしてほしい! そんな思いから、チェックポイントをご紹介します。

 まず最初はドア。スライドドアなら、キーをわざわざ出さなくても指1本で開けられる「ワンタッチオープン/クローズ」機能は必須です。全開になる前に途中で止めたり、全閉する前にキーロック予約ができたりすると、なお便利。雨の日などに全開にすると室内がズブ濡れになっちゃうのを防げるし、重い荷物を持って全閉するまでずっと待っているのもストレスなんですよね。日産車やトヨタ車、ダイハツ車などはそのあたりがしっかり付いています。

 そしてヒンジドアの場合は、やっぱり90度近くまで大きく開くドア。身体をよじらなくても座れてお年寄りにも優しいし、チャイルドシートのお世話もしやすくなります。ダイハツ車はほとんどのモデルが、前後のドアとも90度まで開きますね。加えて、2段階〜3段階のドアストッパー機能が付いていること。スペースに合わせた開度で開けたままの状態を維持できるし、子どもが勢いよく開けて隣りのクルマにバーンと当ててしまった〜、なんて悲劇を防げます。

 次にドア開口部もチェックポイント。横幅が大きく開くのも大事ですが、いちばん注目したいのはルーフの高さと、ドア上部の端っこの部分がどこまで広げてあるか。ここは、乗り込むときに頭をぶつけやすい部分なのです。お手本は古いクラウンタクシーなんですが、セダンなのに乗り込むとき頭をぶつけにくいのは、Cピラーギリギリまでドア上部を伸ばして、頭が通る空間を作っているから。現行モデルで、ここが良くできているなぁと感心したのはパッソ/ブーンです。コンパクトカーでも、ここが広いだけですごく乗り降りしやすいんだなぁと実感しました。 

 さて、次にチェックしたいのは後席の座面の高さです。大人が乗り降りしやすいのは、地面からだいたい60cm〜65cmくらいの位置に座面があることだと言われています。60cmというと、身長163cmの私だと太ももの真ん中くらい。いろんなクルマで試してみましたが、確かにそれより低いと膝を曲げる量が多くなり、腰も深くかがめることになって、一瞬ではあってもつらい体勢を強いられます。

 そしてSUVなどでは60cmより高い位置に座面があるモデルも多いので、子どもが安全に乗り降りできるかどうかをチェック。ステップが広く平らで、ドア内側や開口部付近にグリップが付いていると安心ですね。また、深く安定して座れるようにと座面に傾斜がついているクルマも多いんですが、これは足腰の弱い人だと、降りるときになかなか上体が起こせなくて苦労することに。なるべく水平な座面を選ぶか、やはりグリップが付いていると乗り降りしやすくなると思います。

 乗り込んだら今度は室内をチェック。全体的な広さはもちろん大切ですが、見逃しがちなポイントが顔まわりの圧迫感です。とくに、後席左右に座ってみて、顔のすぐ横にガラスや壁がくるクルマは要注意。長時間乗っていると、大人でもストレスに感じてくるし、子どもはとくに、じっとできなくてキョロキョロと顔を動かすので、走行中の揺れでぶつかったり、窓から顔を出してしまったり……。なので、ガラスや壁から少し距離のある位置に座れるクルマの方が安心です。

 そして足もとは、座ってみて足が組めるくらいのゆとりがあれば、広さは十分。それよりも、中央にセンタートンネルが盛り上がっているクルマではなく、全体がフラットなフロアの方がいいですね。3人がけの真ん中に座るときにも足が伸ばせるし、誰も座らないときにはマザーズバッグなどの荷物が置けて便利なんです。ここに置いた荷物には前席からも手が届くので、ママが助手席に座っても、いろいろなお世話道具が出し入れしやすいんですよ。

 あとは、シートスライド&リクライニングが左右別々にできること。これは後席の快適性というよりも、荷物をたくさん載せたいときに調整しやすいというのが大きな理由です。また、ママと子どもだけで乗るときに後席をいちばん前にスライドすれば、会話やお世話がしやすくなる、という利点もありますね。

 さらに、後席までしっかりとエアコンの風が届くことも大事です。後席専用のエアコンがあれば言うことなしですが、最近ではスペーシアやデイズルークス、eKスペースなどのように、天井に装着したリヤサーキュレーターで素早く室内全体の空調ができるような工夫をしている軽自動車も出ています。とくに子どもは暑がりで汗っかきなので、前席以上に後席の空調には気を配ってあげたいところです。

 さぁ、ここまでのポイントがクリアできていれば、もうほとんど合格と言っていいでしょう。あとは、ドリンクホルダーが人数分あることと、できれば折りたたみテーブルがあれば便利ですが、それはカー用品店でアクセサリーがたくさん売っているので、好みのものを後から付けることもできます。

 最初にチェックしておかないとどうにもならない、ドア、ドア開口部、座面、圧迫感、足もと、スライド&リクライニング、空調。この7つはぜひ、購入前にしっかりチェックしてみてくださいね。

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