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高速の「自然渋滞」「事故渋滞」はどの車線を走るのが一番速い?

高速の「自然渋滞」「事故渋滞」はどの車線を走るのが一番速い?

多くのクルマに先に行かれても時間的な差はほんのわずか

 渋滞時、どの車線が速い? という質問は定番だが、これに関して私は、常にこう答えている。

「私の調査では、自然渋滞20キロあたり、車線による差は1分程度です。つまり流れに差があったとしても、その差は非常に小さいので、気にしないのが一番です」

 じつはこの「渋滞20キロあたり1分の差」というのは、台数に直すと30台だ。クルマが交通容量いっぱいに走っている場合、車間距離は約2秒になるので、30台という数字を時間に直すと1分というわけだ。1分と聞くと「そんなもんか!」と思うが、30台と聞くと「そんなに違うのか!」と思うのではないか? 実際のところ、30台も前に行かれると、ものすごく取り残された気分になる。しかしそれはあくまで気分で、渋滞が解消したとき、その差は1分程度でしかない。

 肝心の「どの車線がいいか」については、左車線の方が若干速いケースが多い。理由は、渋滞中はインターから乗ってくる台数より、降りる台数の方が多いことが多いから。渋滞に業を煮やして高速を降りてしまうクルマや、渋滞表示を見て高速に乗るのを断念するクルマがそれなりにいる、ということだろう。よって、渋滞が発生すると左車線が少しだけ速く流れる。

 ただ、たとえば土曜日午前中の東名高速下り・大和トンネルを先頭にした渋滞の場合、途中の横浜青葉ICや横浜町田ICから大量のクルマが合流してくるので、通常とは反対に右車線の方が若干速く流れる。つねに左車線が速いわけではなく、7割程度の確率である。しかも、流れの差はあくまで若干。速い車線を求めて車線変更するクルマもいるので、なんだかんだで大きな差はつかないようになっている。結論としては「気にしないのが一番」ということになる。

 では、事故渋滞の場合はどうか? これは完全にケースバイケースになる。

 事故車が路肩に止まっていて、車線規制がない場合は自然渋滞と変わらないが、事故車が本線上をふさぐなどして車線規制が入っている場合は、多くのケース、事故車が塞いでしまっている車線側の方が速く流れる。理由は、消える車線のクルマは、隣の車線に合流せざるを得ないわけだが、車線がなくなる寸前だけでなく、その手前のいろいろなところで合流するからだ。それでいて、最後の合流地点では1台づつ交互に合流させざるを得ない。その分だけ合流される側の車線が割を食い、流れが遅くなる。

 このケースは、自然渋滞と比べると、流れの速さにかなりの差が出る。渋滞10キロあたり数分の差になったりする。それもまあ数分なので、トイレ休憩を1回我慢すれば簡単に取り戻せるが、台数的には3ケタ台も前に行かれることがあるので、「ものすごく損をした」と感じる。

 ということで、事故渋滞の場合は、どちらの車線が減るか事前にわかれば、減る側の車線にいた方が有利になるケースが多い。

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