意外と知らない正しい方法! 間違えがちなタイヤのセルフ交換は重大事故の可能性 (2/2ページ)

自信がなければ無理に自分でやらずにプロにお願いしよう

 外したタイヤは万が一、ジャッキが倒れたときに備えて、サイドシルと地面の間に入れておこう。そして取り付け。じつは取り付けの方がトラブルの原因になることが多い。

 取り付けのミスはナットの向き(貫通ナット)、タイヤの芯、センターが出ない、締め方が強すぎ、弱すぎなどがよくあるケース。ナットはテーパーが付いている側が、ホイール側。タイヤのセンターを出して取り付けるためには、いきなり工具でナットを締めずに、手で仮止めしていくのがコツ。

 まずタイヤの上部のナットを半分ほど締め、次に下半分のナットを手で回せるところまで回して仮締め、そして上半分を同じく仮締め。これでかなりセンターが出せる。それから十字レンチを使って、対角線上のナットを、タイヤがガタつかなくなるまで2~3回に分けて仮締め。

 本締めは、ジャッキを下してから同じように対角線上に締めていく。このとき大人の男性が力いっぱい締めると、オーバートルクでボルトを伸ばしてしまったり、ねじ切ってしまうことがあるので要注意。ましてや、車載工具のタイヤレンチを蹴飛ばして増し締めするなんてもってのほか。

 手締めで軽く締めたら、最後はトルクレンチを使って規定トルクで締めること。十字レンチの代わりに電動工具やインパクトレンチを使うのも基本的にNG(アルミホイールの取り扱い説明書にもそう書いてある)。
インパクトレンチなどを使うと、センターがずれやすいし、ナット座を傷める原因になるからだ。

 もちろん、緩すぎると走行中にナットが外れる危険があるので、規定トルクは必ず守ること。交換したタイヤの空気圧チェックも忘れずに。タイヤは安全に直結している部品なので安易に考えず、確実な交換作業を行いたい。自信がなければ、熟達者にサポートしてもらいながらやるか、プロに頼んだ方が賢明だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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