子育てママを助けるためにも装備しておきたい
子どもが生まれるのをきっかけに、新しくクルマを買ったり買い替えたりするファミリーは多いですよね。そんなとき、「とりあえずミニバンを買っておけば間違いないだろう」と安易に選んではダメ。もちろん広い空間やスライドドア、豊富なシートアレンジは子育てに便利な要素ですが、子育てをもっと快適に、そしてラクにしてくれる装備は、夫婦だけで乗っていたころにはまったく必要性を感じなかったモノかもしれません。「あの装備があればもっと便利だったのに……」と後悔しないように、今回はそんな優秀装備の数々をご紹介したいと思います。
最初に基本的な考え方として、子育てをするために買うクルマの中でいちばん重視したい場所は、“リヤシート”だということ。夫婦だけのときは、ほとんどリヤシートに座ることなんてなかった、という人も多いものですが、チャイルドシートをつければその隣りがママの指定席になり、そこが子どものお世話をする空間になります。
そのときに、あるかないかで便利さが大きく変わってくるのが、まずリヤシートのスライド&リクライニング。とくに、左右別々で操作できるものが使いやすいです。チャイルドシートに乗せる子どもは、成長してくるとだんだん足が窮屈になってきたり、大きな荷物を積むことも多くなるので、それに合わせてリヤシートの位置や角度の調整が必須。
ほぼすべてのミニバンや軽自動車のハイトワゴン、スーパーハイトワゴンクラスにはそうした機能がついていますが、コンパクトクラスはSUVも含めて一部のモデルにリヤシート固定のモデルがあるので、チェックが必要です。ホンダ ヴェゼルやスズキ クロスビーにはついています。
そして、できればフロントシートからリヤシート、サードシートまで車内で移動できるセンターウォークスルーがついているとなお便利。チャイルドシートをつけた側のドアは、ほぼ乗り降りが不可能になるというのも理由の1つですが、ちょっと子どもがグズってお世話をしたいときや、後ろに置いた荷物をサッと取りたいとき、雨の日や猛暑日にわざわざ車外に降りなくて済むというのは、本当に助かるものです。
これはミニバンでもセカンドシートがセパレートタイプのグレード、横スライドがついているモデルならOK。軽自動車ではホンダN-BOXの「助手席スーパースライド」タイプ、マツダCX-8のセパレートシートタイプでもセンターウォークスルーが可能です。
また、小さな子どもがいると乗り降りが劇的にラクになるのがスライドドアですが、両手がふさがっているときに、足の動作だけで自動開閉できるハンズフリースライドドア機能がついていると、使い勝手はさらに便利になります。現時点では日産セレナやホンダ フリード、N-BOXに設定(オプション含む)できますが、セレナは片足を上げて操作しなければならないのに対して、ホンダ勢はカカトを地面につけていても作動するのが優秀。
子どもを抱っこして重い荷物を持ったまま、片足を振り上げるのはけっこうバランスを崩しやすいですからね。また、トヨタ アルファード/ヴェルファイアには、あらかじめ設定した検知エリアに近づくだけで、スライドドアが自動解錠&オープンするという、ウェルカムパワースライドドアがあって、これも助かる機能です。
さて、お次は室内の快適装備について。新生児のころから気をつけてあげたいのは、窓から差し込んでしまう強い日差しですよね。今では多くのモデルがUVカットガラスを採用していますが、軽自動車などではフロントだけでリヤの窓はUVカットになっていないというモデルもあるので要注意。
加えて、純正のロールサンシェードが付いていると、とっても便利です。市販のサンシェードを買ってきてもいいですが、窓全体をぴったりと覆い隠すのは難しいし、使わないときには邪魔になってしまいます。車内で授乳や仮眠、オムツ替えをしたいときなどにも、サッと目隠しできて助かる装備です。
そしてもうひとつの必需品が、セカンドシートで使えるテーブル。ミルク作りや離乳食をあげるときに、これがあるのとないのとではお世話のしやすさが雲泥の差です。ママがちょっと日焼け止めを塗ったり、スマホやタブレッドを立てかけておけるのも便利ですよね。折りたたみ式のものが付いているミニバンや軽自動車も多いですが、乳幼児がよく使うベビーマグが収まるカップホルダーがあるのは、日産デイズ ルークスや三菱ekスペース。サードシートにまで装備できるのは今のところセレナだけです。
さらに、ロングドライブだと子どもはどうしても退屈してしまうので、タブレットでアニメや子ども番組などを見せたいところ。そうなると、USBジャックがセカンドシートにもあると助かります。近ごろは多くのミニバンに装備されていますが、こちらもセレナならサードシートまで全席にUSBが装備できるので、多人数でロングドライブするときにも取り合いにならなくて済みそうですよね。
またロングドライブや旅行などでは、子どものオモチャや着替え、オムツなどもたくさん持って行きたいところですが、サッと使えるように荷室ではなく車内に置いておこうと思うと、どうしてもゴチャゴチャしてしまいます。そんなとき、ルノー カングーの天井収納スペースはとっても便利。フロントシートの上とセカンドシートの上のデッドスペースを活用して、たっぷりと荷物が入るようになっています。
オプションですが天井が高いダイハツ ウェイク、スズキ ハスラーなどにも天井収納装備が設定されているので、荷物に合わせてカスタマイズしてみると、車内の使い勝手が劇的に変わりますよ。
さらに子どもがいると、普段のお出かけでも公園で泥だらけになった三輪車や、雨で濡れたベビーカーを積まないといけなかったり、荷室がとんでもなく汚れます。日産Xトレイルの撥水防水フロアなら、そんな汚れや水滴を気にせずガンガン積めて、掃除もラクなので大助かりです。オプションでハスラーなどアクティブ系の軽自動車やコンパクトクラスにも設定があるので、チェックしてみましょう。
また、そうした汚れや湿気、車内で飲み食いやオムツ替えなどをする子育て期は、車内のニオイが気になるもの。ナノイーなどの消臭機能を活用するのもひとつの手ですが、シートや天井などにそもそも消臭機能がついているモデルにも注目です。最近ではトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイアなどに装備されています。
さて最後は、ママ友ができて一緒に子連れで出かけたり、子どもの友達を乗せて出かけるというときに助かる装備。チャイルドシートやジュニアシートを友だちの分まで用意しているという人や、わざわざ付け替えて出かけるという人も少ないのが現状。でも万一のとき、その友だちの命を責任を負うのは自分です。面倒でもお金がかかっても、ちゃんとチャイルドシートやジュニアシートに乗せることが大事ですよね。
そんなときに、普段は大人用のシートが、座面を引き起こして専用のヘッドレストを付けるだけで、チャイルドシートに早変わりするのが、VWゴルフトゥーランやティグアンにオプション設定されているインテグレーテッドチャイルドシート。体重15〜36kgの子どもに使えます。これなら、いつでも友だちを乗せてのドライブも心から楽しめますよね。
そんなわけで、子育てファミリーを応援してくれるたくさんの装備。ぜひ、しっかり選んでストレスのないカーライフを過ごしてくださいね。