欧州の基準が日本に導入されたため
「最近のクルマはドアミラーが大きくなっているような気がする」、そんな声を耳にすることも少なくない。そして、その感想はおそらく事実に基づいている。じつはドアミラーなどの後写鏡についての基準が平成28年6月より変わっているのだ。
基本的には国際連合欧州経済委員会のレギュレーションNo.46(UNECE R46)を従来の日本の保安基準に加えたといえるもので、これまでより幅広い範囲を後写鏡によって確認できること(間接視界を確認すること)が求められている。それを解説するのが下記の図版だ(平成27年度 車両安全対策検討会 資料より)。
この新基準が適用されるのは、新型車で平成31年6月より、継続生産車で平成33年6月より、となっているが、こうした基準に対してメーカーは先取りするのが常である。むしろヨーロッパの基準に合わせることができるのだからウェルカムという面もあるだろう。
その結果としてドアミラーが大きくなったことを、ユーザーは感じ取った。だからこそ冒頭のような声を耳にすることが増えてきたのだろう。
もっとも、後写鏡の保安基準といえば、同じタイミングでミラーレス(カメラなどによるモニタリングシステム)も認可対象となっている。ドアミラーが大きくなったと感じる一方で、ドアミラーが消えていく準備も着々と進んでいるのだ。