意味がないどころか逆効果になる可能性も
近年、純正装着も増えているエアロワイパー。従来のワイパーは高速走行になると空気抵抗の影響で、ワイパーが浮き気味になり、ガラス面への接地圧が不均一になり、拭き取りが悪くなったのに対し、エアロワイパーは、空気の流れを考慮した、一体式のエアロフォルムになっている。空気の力でワイパーをフロントガラスに押し付けるように設計されているため高速時の払拭性能が安定しているのが特徴だ。
デザイン的にもスタイリッシュで、フラットワイパーやデザインワイパーと呼ばれているものも含まれる。
さて、そんなエアロワイパーだが、空気の力でダウンフォースを得ているとなるとリヤワイパーに装着すると逆効果で、リフトフォースを発生させたり空気抵抗になるのでは? という素朴な疑問が……。
そこで、NWB(日本ワイパーブレード)など、ワイパーメーカーに確認してみたところ、リヤにエアロワイパーを装着した場合、(具体的なデータは収集してはいないが)やはり空力的なメリットは期待できない。むしろ浮き上がりや空気抵抗などのデメリットが生じる可能性があるので、セダン、ハッチバック、ワンボックスと車種を問わず、リヤガラスにはエアロワイパーではなく、従来からあるトーナメントタイプのスタンダードワイパーを推奨しているとのことだった。
もちろんクリップの形状やワイパーの長さが合致すれば、リヤワイパーにエアロワイパーを装着することは可能だし、デザイン的にもフロントのワイパーとリアのワイパーに統一感を持たせたいというのも理解できる。ワイパー本来の機能から考えると、リヤワイパーには、エアロワイパーを使わないのが無難な選択といえるだろう。