4代目は日本導入されなかったが5代目で日本復活!
今や世界的なSUVブーム。なかでも北米では、もはや一過性の流行ではなく、SUVが“乗用車のスタンダード”ともいえる位置づけになっている。その象徴とも言えるのがトヨタRAV4だ。日本では3代目までしか販売されていないが、北米では現行の4代目が大ブレイク。昨年は、モデル末期なのにもかかわらず、それまで長年ベストセラーを誇っていたカムリを抜き、販売台数で乗用車トップになるほど売れまくっているのだ。
そのRAV4の5代目となるニューモデルが、ニューヨーク自動車ショーでお披露目された。開発コンセプトは、「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive」(SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD)。
チーフエンジニアのトヨタ自動車・佐伯禎一さんによると、長々と説明をして、やっと魅力をわかってもらうというようなクルマではなく、シンプルなSUVらしさを追求したのだという。クラス最大級の大口径19インチタイヤ&ホイールや、現行よりも高くしたロードクリアランスなど、SUVらしさをわかりやすく訴求しているのだ。
プラットフォームはトヨタ最新のTNGAに基づいたもの。ボディのワイドスタンス化やフロント・リヤオーバーハングの短縮など、走りを引き立てるディメンションを備えている。デザインは幾何学形状の「オクタゴン(八角形)」がモチーフ。アッパーグリルとロアグリル双方を台形形状としたフロントグリルや、切れ長なフロントヘッドランプがワイドかつ安定感のあるスタンスを演出する。
従来よりラギット感を強め、アメリカンテイストが高まった印象で、文句なしにスタイリッシュ! 会場でのマスコミの反応も上々だった。
エンジンは、世界トップクラスの熱効率を実現する2.5リッターダイナミックフォースエンジンに8速トルコンATを組み合わせたモデルと、カムリと同じシステムを搭載した2.5リッターハイブリッドの2タイプを設定。なかでもハイブリッドのXSEグレードはスポーツグレードに位置づけられており、ブラックのホイールやルーフなどスポーティな装いを身につけるほか、足まわりも引き締められているという。
一方で、SUVらしいアクティブな使い方を楽しめるグレード「アドベンチャー」も設定。ルーフレールとオーバーフェンダーなどで、エクステリアを他グレードと差別化されている。
駆動方式はFFとAWDの両方を設定。AWDシステムは新開発で、ガソリン車は走行状況に応じてリヤのトルクを左右独立で制御するトルクベクタリング機構を備えた新開発『ダイナミックトルクベクタリングAWD』。前後輪の車輪軸に世界初のラチェット式ドグクラッチを備えることで、2WD走行時に後輪に動力を伝達させる駆動系の回転を停止させて損失を大幅に低減し、燃費向上を計っている。
一方、ハイブリッドは新型E-Fourで、電気で駆動する後輪の全体トルクを従来型の1.3倍に増加させた上で、走行状態に応じて適切に後輪にトルクを配分する新制御を採り入れ、高い走破性と優れた操縦安定性を実現しているという。
北米では2018年末(ハイブリッドは2019年初め)に発売予定。またSUV人気が高まっている日本にも2019年春に導入される予定という。エクストレイルやCX-5、フォレスターなど、激戦のミドルクラスSUV市場に投入されるRAV4。日本市場への久々の復活が待ちきれない!