ファブリックにはコストや吸湿性の良さなどのメリットがある
一方、ファブリックはコスト的に有利で滑りにくく、吸湿性の良さなどのメリットがある。どちらの素材にも一長一短があるので、最終的には個人の好みで選べばいいとしか言いようがない。それよりも大事なことは、ポジションがしっくりくるシートを選ぶこと。
残念なことに、クルマのシートは体型に合わせて、L、M、Sなどとサイズを選ぶことができない。そのため誰にでもピッタリ合うとは限らないが、シートが決まらなければ、正確無比なドライビングなどできないので、ここは妥協したくないところ。
もうひとつ注目したいのは、ウレタンのクオリティとフレームの剛性。安っぽいシートのフレームは、座面に金属バネが入っていなくて、背もたれの構造もスカスカで剛性がない。優れたシートは、パイプ状の外枠に鋼板を溶接したモノコック構造で、金属製の平面バネとコイルバネを併用しているケースもある。
そしてウレタン。ウレタンも一流のシートと安物のシートで大きな差がある。レカロなど長距離を乗っても疲労感が少ないシートは、ウレタンの弾性と座り心地の良さが絶妙なバランスになっていて、このウレタンのクオリティがとても重要。いいサイズ、いいフレーム、いいウレタンのシートなら、表皮は本革でもファブリックでも、予算と自分のこだわりでチョイスすればきっと満足できるだろう。