上級者の運転マナーはスムースかつ安全な走りを可能にする
運転の上級者の条件をひと言でいうと「スムース&セーフティ」。周囲がよく見えていて、他人への思いやりもあり、なおかつスマートでスムースな走りというのが理想だ。
たとえば薄暮時や雨天の日に、人に先んじてヘッドライトを点灯したり、右左折や進路変更の際にブレーキを踏むより早く(左折・右折・転回は30m手前、進路変更は3秒前)ウインカーを出したりすると、“できるヤツ”という感じになる(本当は、当たり前なんだけど……)。
また、狭い道ですれ違う時にズルズル進み続けて、すれ違いにくいところでモタモタするのはかなりトホホなドライバー。上級者なら江戸しぐさの『傘かしげ』ではないが、やや手前でも一番スペースに余裕がある部分で待機して対向車を先に行かせてしまうのが、スマート&ファステスト。
交差点でも状況にもよるが、左折時はできるだけ左に寄り、右折時はセンターラインギリギリまで寄って、なるべく後続車の進路を塞がないのが上級者の証。信号で止まる際は、停止車間距離を3mぐらい開けてピタッと止まる。いったん止まった後に信号が青になるまでの間、ダラダラと車間を詰める人がいるが、これはちょっといただけない。
反対に路地や道路脇の店舗などから本線に出てこようとするクルマがいたら、スペースを開けてあげて、「どうぞ」と入れてあげるのが上級者。高速道路ではウインカーを出しながら、合流車線の長さを最大限生かして、思いっきり加速してから合流するのが第一。
本線では一定速度で走り続けるのが、疲労軽減にもなり燃費にもいい走りになる。前が空いていれば飛ばして、前走車に追いついたらスピートダウンという走りは意外に疲れる。また上り坂になれば速度が低下し、下り坂になると加速するというのも、高速道路を走りなれていない人の特徴。
最近のクルマには、全車速追従機能などが付いた優秀なクルーズコントロールが備わっていることが多いので、これらを積極的に活用するのも賢い走り方。
また、走行中は小まめにバックミラーで後続車の様子をチェックするのも大切。通常は走行車線を走り、前のクルマに追いついたら後続車を確認し、ウインカーを出しながら追い越し車線に移って十分に加速。追越しを終えたら、再び走行車線に戻るのが基本。
あとはだらしない姿勢ではなく、正しいドライビングポジションで肩の力を抜き、目線を遠くにして、周囲に気を配り、クルマとの対話を楽しむ。何事も理合いを知って、数をかけるのが上達の秘訣。“慣れ”だけで走っているうちは、決して上級者になれないことも覚えておこう。