女性でも扱いやすいサイズだが居住性も荷室も広々!
家族や愛犬とドライブに出掛ける機会は多いものの、大きな3列シートミニバンまではいらない、運転したくない……そんなクルマ選びってけっこう悩めるものだ。
しかしご安心あれ。コンパクトカーで4名+大荷物をばっちり載せてくれるクルマがある。ポイントはパッケージ。なりは小さくても、下手な大中型車より室内広々、ラゲッジルーム大容量、シートアレンジでいかにようにも対応できる下克上的なスーパーコンパクトが存在する。
1)スズキ・ソリオ
まずはスズキ・ソリオ。じつはついにハイブリッドを得たソリオは以前のモデルから走りは文句なし。静かだし、乗り心地もハイレベル。操縦性にしても背高グルマとしてはしっかり安心。
そして乗降性抜群の両側スライドドアと前後席スルー(移動)機能を備えた室内空間はと言えば、身長172cmのドライバー&乗員基準で後席ひざ回りに最大40cm(スライド位置による)の空間をもつ。
さらにラゲッジの奥行き440~605mm(後席スライド位置による)、幅1030mm、天井高1020mmと大容量。家族4人の宿泊荷物も余裕で積み込め、床下にサブトランクまで備えている。
具体的には9.5インチのゴルフバッグが横積みできて、後席をほぼフラットに格納すれば26&20型の自転車2台だって車輪を外さずに(斜めに)積載できるのだからすごい。シートアレンジも前後席フルフラット、後席背もたれ分割可倒式を利用したラゲッジ拡大モードなど、多彩。使いまくれるコンパクトカーなのだ。
ちなみに全幅は1625mm。5ナンバー枠ギリギリのコンパクトカーの1695mmよりさらにスリムで、最小回転半径4.8mだから小回り性もばっちり。運転のしやすさ抜群、走って良し、乗って感動、積んで余裕、燃費良しの1台である。
2)トヨタ・タンク&ルーミー/ダイハツ・トール
つぎは今、TVCMでも大々的にPRしている中身はほぼいっしょのトヨタ・タンク、ルーミー、ダイハツ・トール軍団。ダイハツが企画、開発、生産のすべてを担ったダイハツ・ブーン/トヨタ・パッソをベースにした、トヨタ全チャンネルにOEM供給する両側スライドドアを備えた”容量系”コンパクトカー。
ダイハツの軽自動車、小型車開発のメリットを最大限に生かし、タントなどダイハツ軽で培ってきたパッケージング、スマアシと呼ばれる先進安全技術などを惜しみなく投入しているのが特徴だ。
身長172cmのドライバー基準で後席ひざ回り空間は最大385mm! これはブーン・パッソの同210mm、シエンタ2列目席の同220mmを凌(しの)ぐだけでなく、トヨタ・ヴォクシー&ノアの2列目席ベンチシートの同300mmを圧倒する広さ。Bピラーの大型アシストグリップは子供用兼用と子育て世代にも親切だ。
ラゲッジは6:4分割、240mmスライド、70度リクライニング機構を備えた後席を前だしすることで奥行きはなんと50~74cmまで拡大可能。
そんなわけだからラゲッジには機内持ち込みサイズのキャリーケースを4個積めるのだからかなり実用的(4人で海外旅行のために空港へ行ける!!)。さらに後席をダイブイン格納することで26インチの自転車が2台積み込めるのだから、荷物の積載性でも文句のつけようなし。
ちなみにラゲッジの実寸法は奥行き500〜740mm(後席スライド位置による)、幅1035mm、天井高990mmもある。
しかも、リヤボディ形状の都合でフロアに対してやや高くセットされた多機能デッキボードは反転すると防汚シートが畳まれていて、それを展開するとラゲッジフロア全体が防汚仕様になる仕組み。自転車、汚れやすいアウトドア&スポーツ用品の積載はもちろん、ペットを乗せるにも好都合のかつてないアイディア、配慮満載と言える。
トヨタ・タンク、ルーミー、ダイハツ・トール軍団の走りっぷりはごく平凡なものだが、パワーステアリングは扱いやすく、3気筒エンジンは振動が少なくじつにスムースに回り、軽やかな乗り心地も普段使いのファミリーカーとして適切。
もし、ロングドライブの機会が多いなら、走りの余裕、上質感で大きく上回るターボモデルを薦める。ただし価格は180万円を超える。もっとも、ここでは「コンパクトなクルマに人と荷物をばっちり載せたい」がテーマだから、価格うんぬんするのはナンセンス。小さいことがなによりも優先事項ですからね。
3)ホンダ・シャトル
このほかに後席ひざ回り空間250mm、ラゲッジ奥行き955mm、幅970~1500mm、天井高835mmのゆとりの後席居住空間とコンパクトステーションワゴンならではの使いやすさ抜群の大容量ラゲッジルームを備えたホンダ・シャトルもお薦め。
フィット同等(フィットMCの走行性能の進化は盛り込まれていないが)の走行性能、安定感もばっちりである。
4)ダイハツ・ムーヴ キャンバス
ちなみに軽自動車でもカッコ良ければOKというなら、タントとムーブの中間的パッケージのムーヴ キャンバスがいい。VWバスをほうふつさせるレトロな雰囲気だけでなく、室内空間は想像以上に広々。
身長172cmのドライバー&乗員基準の後席ひざ回り空間は350mm。
ラゲッジの奥行きはコンパクトカーも真っ青な330~580mm(後席スライド位置による)、幅885mm、天井高875mmと、軽自動車らしからぬ広大さ。
玄関先に停めているだけでスタイリッシュな生活感が演出できる点(2トーンカラー限定)もお薦めのポイントである。