新型レクサスLSは世界の高級サルーンを超えたか? 優位点を徹底チェック (1/4ページ)

闇雲に世界を追わず日本のニーズに応えた繊細なクルマ作り

 日本屈指のサルーンとしての長い歴史を持ち、レクサスが誇る最高峰のテクノロジーがすべて搭載されたLS。その実力がワールドクラスであることに疑いの余地はないが、ならばLSを世界の超高級サルーンと比較してみるとどうか。あらためてその優位性について探っていこう。

 新型レクサスLSは、全長が5235mm、全幅は1900mmに達する。先代LSのロングボディ仕様より大きく、高級セダンの代表であるメルセデス・ベンツS560ロングとほぼ同サイズだ。ボディが大きければ高級という話ではないが、大半のブランドで全長とホイールベースの長さは高級の度合いに比例する。つまり新型LSは、世界の最高級車市場に挑むことになったわけだ。


パワートレインは一時代前の感覚で見ると、V型8気筒エンジンの廃止が物足りないだろう。クーペのレクサスLCにはV8を用意しながらLSはV6だけになるのも、旧来のヒエラルキーでは立場が低く見られそうだ。しかし今は時代が変わり、高級車に小排気量ターボやハイブリッド、ディーゼルを搭載するのが最先端の賢いクルマ作りになった。この数年間で、高級車の排気量に対する価値観は大きく変わっている。

1000万円超級サルーンの条件

1)圧倒的なクオリティと最上級のおもてなしこそが必須

 車内はクラストップレベルのゆったりとしたスペースを確保し、乗る人が落ち着いてくつろげることに注力している。とくに同乗者をもてなす機能と装備が充実しており、どんな遠方への移動であっても最上の心地よさが維持できる。また、乗り込んだ瞬間から普通のクルマでは感じられないゴージャスな雰囲気を演出するべく、細部に至るまでまるで職人が手がけたような繊細な作り込みがなされているのもポイントだ。

2)フラッグシップに相応しい最先端機能と装備の充実ぶり

 1000万円超級のクルマでは、あらゆる部分に各メーカーが持つ「最新鋭」の技術が導入されている。大衆車とは違い、潤沢な開発コストを投じることができるという事情があるのはもちろんだが、そこまでする理由は、フラッグシップと呼ばれるクルマにはメーカーの威信がかかっているからである。クルマの基礎であるプラットフォーム、内外装デザインや走りを司るパワーユニットやフットワーク。そして安全、快適装備など、すべてにおいてオーナーに最上の満足感を与えてくれる。新型LSも、もれなくその領域にある。

3)自動車の未来を先取りしたハイレベルな運転支援機能

 いまや運転支援システムは大衆車にも採用される技術となったが、1000万円超の高級サルーンでは技術的な観点はもちろん、法規的な面でも現時点で採用可能なシステムがすべて投入されている。あらゆる走行状況でドライバーを支援することで事故を未然に防止し、安全かつ快適なドライブが行えるよう注力している。新型LSは世界のライバルとの比較においても引けをとらない先進性を身に着けている。


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