希少なだけに売却時の価格が期待できることも
2010年代に入って86&BRZに代表されるスポーツモデルが増えつつあることもあり、MT車は広い目で見れば希少なクルマであることに変わりはないものの、一時期ほどの絶滅状態は脱しつつある。
しかし、オーナーのお父さんだけでなく家族も乗る一家に一台のファミリーカーを選ぶ際にMT車を選ぶのはいろいろな問題で難しいことも多いだろう。
だが、なかには「スポーツ系以外のクルマなら、MTにしてもいいよ」という家族の理解を得られる若干の幸運に恵まれた境遇にあるMT好きもいるかもしれない。今回はそんな人に向けた“スポーツモデルでないオススメMT車”輸入車編を、前回の日本車編に続いてお届けしよう。
1)BMW320i スポーツ&Mスポーツ
スポーツセダンの代表的存在であるBMW3シリーズ。かつてはBMWの十八番の直6エンジンを「エンジンをダイレクトに感じられるぜひMTで味わいたい」などと言われたもの。だが現在はエンジンの小型化、小排気量化を過給機の装着で補うダウンサイジングターボコンセプトの普及で6気筒エンジンは高級品となっており、3シリーズの6気筒エンジン搭載車は800万円を超える高嶺の花だ。
しかし現在3シリーズの中核的存在の4気筒2リッターターボを搭載する320iのスポーツとMスポーツには6速MTが設定されており、3シリーズの程よいスポーツ性をより濃密に楽しめる。
なお320iのMT車は2012年の日本導入当初から設定され続けており、率直なところ雀の涙ほどしか売れない印象の普通の3シリーズのMT車を「普通の3シリーズをMTでも味わってほしい」という心意気で設定しているBMWジャパンには大きな拍手を送りたい。
2)ミニONE
MTの設定率が高いミニは、3ドアのベーシックモデルで1.5リッター3気筒ターボエンジンを搭載するONEにも6速MTを設定する。ONEに対し同じ1.5リッター3気筒ターボながら、より高出力なクーパーをスポーツモデルか否か判断するのは難しいところだが。
それはさておき、ミニはブランドイメージの高さに加え、以前よりは薄れたもののゴーカートフィーリングと言われる乗り味が好みが分かれるのも含めて強い個性となっており、この個性をさらにマニアックなMTで楽しめるというのはクルマ好きにとっては大きな魅力だ。
3)プジョー208 スタイル
プジョーは日本で販売されるプジョーの中ではコンパクトカークラスの208で一番安いスタイルにMTを設定している。
5速となる208スタイルのMTのエンジンはATの1.2リッター3気筒ターボではなく、1.2リッター3気筒NAが搭載されて格落ち感は否めない。
しかし「フランス車はアンダーパワーなのが持ち味」という言葉もあるくらいで、その持ち味と内外装を含めた雰囲気はフランス車らしさ満点。そんなクルマが199万円というのはマニアには嬉しい。