電動化を前提に設計されたはじめてのパワーユニット
ISGと呼ばれる48ボルト電気モーターが走りの効率を上げ、力強い加速を生み出した。3月1日に発表されたメルセデス・ベンツのフラッグシップモデル・新型SクラスのS450 は、新開発直列6気筒エンジンに加え電気系統に革命を起こす技を使ってきた。
ISGとはインテグレーテッド・スターター・ジェネレーターのことで、最高出力16kW、最大トル250N・m発生する電気モーターだ。オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。
これまで12ボルトだった電圧を48ボルト電気モーターにして、48ボルト電気システムで回生ブレーキによる発電も行う。これを1kWhのリチウムイオンバッテリーに充電する。これにより、エンジンが低回転時でも電力補助ができ、高い効率と力強い加速を実現させたものだ。
新型SクラスにISGを導入するのは、S450と装備充実のS450エクスクルーシブ、13センチ後席を広げたS450ロング(夏に上陸)だ。現行Sクラスは2013年に登場して、累計30万台を超える販売を記録している。昨年にはインテリジェントドライブ(知能)を進め、通信機能を充実させて快適、安全なクルマへ進化を続けている。
コンパクトな新型直列6気筒エンジン、ISG、48ボルト電気システム、電動スーパーチャージャーなどの新技術が満載のS450は4月頃から納車が始まる。新型直列6気筒エンジンM256は、約20年ぶりに復活する直6エンジンだ。電動化を前提に設計されたはじめてのパワーユニット。
電動スーパーチャージャーは排気によるターボ効果を出しにくい低回転域で過給を行うもの。これまで12ボルトで動いていた電気系の一部がいよいよ48ボルトへの置き換えが始まったことで、高効率の設計が可能になった。
メルセデス・ベンツのフラッグシップである新型S450の走りに期待が高まるが、飛躍的に進化したレーダーセーフティ・システムや渋滞時緊急ブレーキ、緊急回避補助機能など最新の技術が搭載されている。