ブランド自体は導入していないが実質車種展開は行われている
トヨタの高級ブランド「LEXUS(レクサス)」。1989年にアメリカで生まれ、2005年より日本にも上陸した、という流れはご存じのことだろう。
そのレクサス、当初のセダンを中心としたラインアップから、いまではトレンドのSUVも多く揃えるようになっているが、それでも2017年一年間での販売台数は45,605台(自販連調べ)。前年より10%以上ダウンするなど、諸手を挙げて好調といえる状況ではない。
ちなみに、この台数は規模でいうと輸入車の御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン)を下回っている。レクサスのラインアップや販売店舗が限られているとはいえ、それでもトヨタのビジネスとしては成功しているとはいえない。日本市場で展開して10年経っても、この状態だ。
レクサスと同時期にアメリカからスタートした日産の高級ブランド「INFINITI(インフィニティ)」や、ちょっと先んじて1986年にやはりアメリカから展開しているホンダの高級ブランド「ACURA(アキュラ)」が、日本導入に二の足を踏んでいるのは、こうした状況もあるだろう。もちろん、各社の市場調査でも同様の結果が出ていることから「インフィニティ」や「アキュラ」の専売店を展開するという判断になっていないはずだ。
だからといって、各社の高級ブランド相当のクルマまで導入していないわけではない。もともとトヨタがレクサスを国内展開する以前は、そのフラッグシップモデルである「LS」を「セルシオ」という名前で販売するなどしていたが、ホンダでいえば「アキュラ」のフラッグシップサルーン「RLX」は「レジェンド」の名前で売られているし、「NSX」も地域によってはアキュラブランドだったりする。日産も、かつて「インフィニティQ45」を国内では日産ブランドで展開したように、現在スカイラインやフーガには「インフィニティ」のエンブレムが付いている。すべてのラインアップではないにしても、高級ブランドのテイストを日本で味わうことはできるのだ。