車種固有のエンブレムに動物のモチーフが採用されている
プジョー(ライオン)やジャガーなど、動物をあしらったエンブレムはインパクトも大きい。これらはメーカーがその動物を用いているから当然なのだが、日本には動物をモチーフにしたメーカーは存在しない。では動物エンブレムを掲げた車種がないかというと、じつはそうでもないのだ。今回はそんな動物をあしらったエンブレムを持つ車種をご紹介しよう。
1)トヨタMR2(初代)
日本の自動車メーカーで初の市販ミッドシップ車であるMR2は1984年に登場しているが、そのフロントに装着されるエンブレムには、猛禽類をイメージした図柄が描かれている。これは「進化による空力的美しさ」、「敏捷さ」、「力強さ」をイメージしたものだそうで、なんと当時は七宝焼きで作られていた。
なお、猛禽類の図柄の中には、MR2の型式である「AW」という文字が隠されているのだが、気づいただろうか?
2)日産レパード(初代、2代目)
レパード=あぶない刑事、と言っても過言ではないほどそのイメージが浸透している2代目レパード。この車両にはその車名にもなっている「ヒョウ」があしらわれたエンブレムが装着されている。フロントグリルに装着されているイメージが強いと思うが、じつはこのエンブレムデザイン、初代のレパードからキャリーオーバーされたものだった。
なお、3代目、4代目レパードは(3代目はレパードJ.フェリー)ヒョウのイメージもなくなりつつあったのか、同様のエンブレムは使用されなかった。(写真は2代目)
3)いすゞ117クーペ
今でこそ働くクルマのメーカーとして知られるいすゞだが、過去には多くのファンを持つ乗用車を作るメーカーでもあった。その中でもスペシャリティーカーとして1968年に登場したのが117クーペである。
同車のデザインはカロッツェリア・ギアに委託され、当時在籍していたジョルジェット・ジウジアーロが担当したことで知られる。このジウジアーロが日本らしさを表現するためにチョイスしたのが「唐獅子」であった。一説によると神社で見た狛犬からヒントを得たとも言われるが、よほど気にいったのか車両の至る所にちりばめられている。