結論は問題なし! タンクローリーの鏡面加工も意味がある
東京オートサロンや大阪オートメッセに展示されている、金ピカ、銀ピカの美しいデモカーたち……。ショーモデルとしては素晴らしいが、もし公道で見かけたら、光が反射して眩しいだろうし、そもそもあれって合法なのだろうか?
街中でピカピカに磨かれたタンクを乗せたタンクローリーを見かけるので、あれがOKなら鏡のようなメッキ塗装のクルマだって許されるような気がするが、ネットを見ると、鏡面、メッキのボディカラーは禁止という記事もチラホラと……。
そこで保安基準を調べてみると、一般乗用車のボディの塗色に関する項目は見当たらなかった。(塗色について触れているのは、「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」という一文ぐらい)
念のため、「独立行政法人自動車技術総合機構」にも確認してみたが、「保安基準上、ボディカラーに関する規制はとくにはない」とのこと。つまり、金ピカでも、メッキでも、迷彩色でも、ド派手な色でも、地味〜な色でも、ボディカラーは何でもOK。(ただし著作権、肖像権のあるロゴやイラスト、キャラクター、写真は、保安基準はOKでも、権利の面でNG。公序良俗に反するようなものも認められない)
車検証にもボディカラーの記載はないので、あとから何色に塗り替えても、変更申請なども必要ない。
余談だが、タンクローリーのタンクがピカピカなのは材質がステンレスで、錆びない材質のため塗装の必要がないから。
ステンレスは、正式にはステンレス鋼といい、鋼にクロムやニッケルを含んだ耐食性に優れた合金鋼。「不銹鋼」、「常輝鋼」という呼び方もある。stains less=「より変色しにくい」「錆びない」「汚れない」という意味で、ミルクなど食品関係を運搬するタンクローリーによく使われている。油脂類ではアルミ合金が多く、特殊なものには化学変化に強いチタンのタンクも存在する。
さらにオマケになるがこのステンレスのタンク、ピカピカの鏡面加工を施すと、排気ガスや酸性雨による腐食に対してより一層強くなり、ピカピカのタンクとそうでないタンクとでは寿命が3〜4倍も違うとのこと。
あのピカピカのタンクはただの無塗装ではなく、寿命を延ばすために手間暇をかけて磨き上げられたものだったのだ。