サーキットのみならずラリーでも大活躍した
ロータリースポーツといえばマツダ。今、ロータリーエンジン復活の機運が高まっているが、歴史を振り返ってみると、その中核にいるのはやはりRX-7だろう。初代は1978年の登場となる。この時期はスポーツカーの牙を抜いてしまったオイルショックや排ガス規制の波が落ち着いて、それまでの性能を取り戻しつつあった時代だ。
そのなかで初代RX-7は登場したのだが、ロータリーエンジンの流れ的には、コスモスポーツで世に出て、ファミリアなどにも拡大。そしてサバンナ(RX-3は輸出名)で、硬派なスポーツカー作りへと進化していった。その後継車として登場したのが、この初代ということになる。
スタイルはスポーツカーの王道であるロングノーズやハッチスタイルなど、その後の2代目、3代目にも通じるコンセプトを初代で確立していることがわかる。また、サンルーフやリトラクタブルヘッドライトを採用していたのも、当時としては先進性アピールにひと役買った。
エンジンは573ccの2ローターで、型式は12A。排気ガス規制のため、希薄燃焼化されているのが特徴だった。最初はNAのみで途中でターボも追加された。馬力はそれぞれ130馬力と165馬力で、今からすればかなり低い数値だったし、トータルバランスは必ずしもよくなかったのも事実。ただし、ロータリーならではの天井知らずの吹き上がりなどで、人気は高かった。
モータースポーツではサーキットでさまざまな活躍をしたが、世界ラリー選手権、つまりWRCにも参戦していた。しかもワークスでだ。参戦カテゴリーは最高峰、過激なマシンたちが勢ぞろいしていたグループBなどで、8台のラリーマシンが作られたという。ちなみにそのうちの1台が昨年オークションに出品されて話題になったので、覚えている人もいるかもしれない。気になる成績は……まずまずといったところだった。