アメリカンモータースポーツに挑み続ける日本人の活躍に期待
日本人ドライバー、そして日本人チームオーナーとして、まさにアメリカン・モータースポーツのパイオニアとして長年参戦を続けている服部茂章さんの2018年シーズンがスタートした。
服部茂章さんは日本でのレース活動を続けていたが、30歳を過ぎたタイミングで渡米し、31歳でフォーミュラ・アトランティックに挑戦。それ以後、インディライツに3年(1998年に2勝を挙げている)、CARTシリーズ、IRLインディカー・シリーズへ参戦している。
その後、2004年からはNASCARにその舞台を移し、トラックをベースにしたストックカーで行われるクラフツマントラックシリーズ(現:キャンピングワールド・トラックシリーズ)に参戦。そして2008年に「Hattori Racing Enterprises(HRE)」というチームを設立し、今度はチームオーナーとしてレースに関わっている。チームはストックカーレースの聖地であるノースカロライナ州のムーアズビルが本拠となる。
当初はNASCARではなくARCAレーシング・シリーズに参戦していたが、NASCARのシリーズへ舞台を移し、キャンピングワールド・トラックシリーズを中心にNASCARの下位シリーズであるXfinity(エクスフィニティ)シリーズ、NASCARリージョナル・シリーズK&N PRO SERIES-EASTにも参戦している。この服部茂章がオーナーを務めるチームには、トヨタ自動車大学校各校の実習を受け入れるなど、アメリカン・モータースポーツを目指す若者の育成にも協力している。
HREの2018年シーズン開幕戦「NEXTERA ENERGY RESOURCES 250」は、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ(全長2.5マイルのトライオーバル=おむすび型のオーバル)で行われた。このコース100周(402.25km)で争われる。このナイトレースは、現地東部時間の2月16日(金)19:30に決勝がスタート。トラックシリーズの後には、17日(土)にエクスフィニティ・シリーズ、そして18日(日)はMonster Energy Cup Series(モンスターエナジー・カップ・シリーズ)のデイトナ500が開催となる。
今季のHREのドライバーは、Ryan Truex(ライアン・トゥルーエクス)選手に変わり、アイオワ州出身の25歳、Brett Moffitt(ブレット・モフィット)選手がチームに加入した。2012年、2013年はHRE育成ドライバーとしてK&N Pro Series Eastを走った経験のあるブレット選手。つまり彼にとっては古巣に戻ってきたことになる。2016年にこのトラックシリーズでの優勝経験もあり、モンスターエナジーNASCARカップ・シリーズへの出場経験もある実力、そして将来有望な選手である。
使用する車両は、もちろん、トヨタ・タンドラ。メインスポンサーはアイシン・グループで、ゼッケン16「AISIN Group TOYOTA TUNDRA」は精悍な黒と青のボディカラーを身に纏う。装着するのはもちろんNASCARオフィシャルタイヤであるグッドイヤーの「EAGLE#1 NASCAR」である。
全32台が出走する予選22番手からの追い上げとなった#16ブレット選手。NASCARでは、ステージ1〜2終了時点でトップ10につけていたドライバーにはボーナスポイントが与えられるという3ステージ制が設けられているが、20周時点でのステージ1では25番手、そして40周までのステージ2が18番手と16号車は順位を上げていき、残り30周を切ったところで10番手まで順位を上げていた。ところが残り28周というところで、3番手を走行していた8号車のパーツが壊れバランスを崩して後退。それを避けきれずにクラッシュし、72周でリタイアとなってしまった。
今シーズンは全23戦で争うキャンピングワールド・トラックシリーズは、続く第2戦「Active PestControl 200」をアトランタ・モータースピードウェイで2月24日に開催することとなる。