ドライバーのために運転席のマッサージ機能を初採用
もう1台のLS500 エクスクルーシブのAWDは、残念ながら納得のいくものではなかった。静粛性など多くの部分で最新のLSらしさはあるものの、19インチタイヤを履く乗り心地はとにかく良路でも常にフロア、ステアリング、シートにブルブルした振動が伝わってくるものだからだ。後席にVIP気分で乗っていてもしかりで、ドライバーを満足させ、VIPをおもてなしするには早急な改善が必要だと思えた。
最後にLS500hにも試乗したが、静粛性、乗り心地、動力性能のバランスはなかなか。もちろんLS500より高価だが、時代の先端を走るレクサス、LS、あるいはショーファーカーとしてはこちらが適切だろう。
そうそう、新型LSがドライバーズカーに振ったコンセプトの一端を表す装備が、エクスクルーシブグレードにレクサス初装備となるフロントリフレッシュシート(つまりマッサージ機能)。眠気を誘わないように後席用よりマッサージ機能に配慮しているというが、指圧師がマッサージしてくれるような、親指サイズの2×3cmの空気袋を座面に10カ所、背もたれに10カ所備え、運転中でもリフレッシュが可能。 運転中に実際に体験してみたが、なかなかのリフレッシュ効果が得られた。
ボルボで前席マッサージ機能が長距離、長時間の運転の疲労感を激減させてくれることを経験済みだが、後席だけでなく、ドライバーのためにもリフレッシュ(もてなし)機能を初採用した事実は、新型LSの、ドライバー最優先のクルマ造りの思想をしっかりと反映させたものにほかならないと思えた。そもそも自らステアリングを握るLSドライバーにとって、一番リフレッシュさせてほしいのは、自身なのだから。