利便性で選ぶか、動力性能で選ぶか、見た目で選ぶか?
2位 日産セレナ
販売台数のほとんどがスタイリッシュなエアロ仕様のハイウェイスターという、同一車線での半自動運転を可能にしたプロパイロット&先進安全運転支援機能が用意されるセレナ。CMなどのイメージからファミリー臭が強いものの、じつは走行性能にも見るべきものがある。動力性能こそクラスでもっとも穏やかだが、フットワークはなかなかハイレベル。山道、高速レーンチェンジなども(家族の安心安全のため)安定感たっぷりにこなしてくれるのだ。
この記事を書いている時点のパワーユニットはマイルドハイブリッドと呼ばれる“S-ハイブリッド”がメイン。だが、間もなくノートに採用されている、モーターのパワーのみで走行してエンジンは発電専用として使われるe-POWERを搭載する。そうなれば一気にライバルのHVモデルを燃費、走行性能で凌駕する可能性大である。
そんなセレナの基本的実用性の切り札が、以前から採用されているスマートマルチセンターシートによる2列目席キャプテン&ベンチシート自在のアレンジ性。
さらに、この5代目から採用されている、バックドアのガラス部分が開閉する(日産としてはおなじみ?)デュアルバックドア。車体後方に約48cm(ハイウェイスター)のスペースがあれば、荷物を出し入れできるメリットがある。ただし、ステップワゴンと違い、人や犬が乗降することはもちろんできない。
セレナの場合は待望のe-POWER登場後に改めてライバル比較する必要があるが、いきなりベストバイになる可能性大である。
3位 トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア
全3モデル合計の販売台数ではライバルを圧倒するのがトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイア軍団。2リッターモデルに加え、いち早く1.8リッターエンジン+モーターのHVをラインアップし、バリエーションの多さからも人気をリードしてきた。
ただし走行性能はガソリン、HVを問わず動力性能に力強さはあっても、全体的には平凡。とくにエンジンに起因するであろう室内のこもり音はライバルにない現象で、早期改善を望みたい部分。
また、バックドアにステップワゴンやセレナのような工夫はなく、開閉するには車体後方に約95cmのスペース(ステップワゴン約40~76cm、セレナハイウェイスター約48cm)が必要になり、バックドアを開ける際クルマを前に出さなくてはならないケースも多いはずである。
そして先進安全運転支援機能も遅れている。Vグレード以上に標準装備されるのはもっとも簡易なトヨタトヨタセーフティセンスC。ゆえにアダプティブ クルーズ コントロール(ACC)の設定もなし(ステップワゴンとセレナは設定あり)。今後、Lクラスミニバンのトヨタ・アルファード&ヴェルファイアから採用された第二世代セーフティセンスが用意されるまで、待ち……ということだ。
とはいえ、2段構えのヘッドライトが精悍なヴォクシー、まるで巨大な鏡のような大迫力グリルを持つノア、ミニ・アルファードと呼べる高級感ある顔つきのエスクァイアの存在感は大きな魅力。ステップワゴンと違い、2列目キャプテンシートでも中寄せ機構によってベンチシート化できる便利さも実際に使ってみると便利である。